眠気を誘う午後の授業。
窓から差し込む日差しは柔らかく、教科書を読む先生の声は子守唄のように穏やかだ。

そんな中、私は少し緊張しながら、前を見ていた。
決して、授業に集中しているわけではない。むしろ授業なんて頭に入らない。
窓際から二列目のこの席は、いまだに慣れない。

先生が背中を向けて、黒板に何かを書き始めた。
私は視線を動かし、隣の席をちらりと見る。

春の日差しを浴びた、窓際の一番後ろの席。

彼は机に開いた教科書の上に頭を突っ伏して、気持ち良さそうに眠っていた。