「俺、金ないから」
「え?」
「強制じゃないんだろ?」

それだけ言うと、生野くんは立ち上がって、機嫌悪そうに教室を出て行ってしまった。

「なに、あれ」
「感じわる」

女の子たちの声を聞きながら立ち上がる。

そして私は生野くんのあとを追うように、教室を飛び出していた。