「一人百円。萩原さんも賛同してくれるよね?」

私の席に二人の女の子が来た。
涼子先生の結婚祝いをみんなで贈るのだという。

私は財布から百円玉を出して、彼女たちに渡した。

「ありがと。次、生野ー」

お金を集めた女の子が、隣の席で机に突っ伏している生野くんに言う。

「生野も、百円! 涼子ちゃんのお祝い」

声をかけられ、生野くんがゆっくりと顔を上げる。