三月に咲いた桜が枯れ始める四月。始業式。
私は、ワクワクしながら登校した。担任の先生は誰だろう。友達の静葉、柚月、寧々歌とは同じクラスになれるだろうか。
「華花!おっはよ!」
毎朝そう言ってくれるのは、静葉だ。静葉は私と喧嘩して私に無視されても何度だっておはようと言ってくれる。そのお陰で私は静葉と一緒にずっといられるのだ。
「あ、私先にクラス表見てくるね!華花と一緒がいいなぁー!」
「うん、私も!」
静葉は校舎の方へかけて行った。
私も、早く見ようと静葉を追いかけて校舎の中に入った。すると、静葉が暗い顔をして出てきた。その瞬間何があったか理解でき、私も絶望と言わんばかりに凹む。
「一緒じゃなかったかー。」
「うん。あと…華花以外一緒だった。」
意外というのは、柚月と寧々歌のことだ。
「え…」
「華花!残念!だけど朝は一緒に行こうね。」
そう言ってもらえるのは嬉しいことだけど、人見知りの私はこの先どうすればいいのか…。友達ができるかも分からない。もう孤立覚悟だ。
何も足されていないはずなのに二キロは重くなったと感じるランドセルを背負って自分の教室、一組へと向かった。
そして、担任の先生が来た。私たちの担任は樋口陽太。熱血教師でこの学校では有名だ。体格がいい黒縁メガネの先生で今日も元気いっぱいという様子だ。
「樋口陽太です!皆さんこれから沢山思い出作っていきましょうね!よろしくお願いします!」
陽太という名前がそっくりそのまま人になったという感じがする。少なくとも先生の第一印象はあまり良いものではなかった。
さすがは、熱血教師。普通の先生がやらないことを普通かのようにやっていた。例えば、面談や学活の授業。面談は、先生が勝手にやりたいからと言ってやっているものだ。学活の授業は、今までよりも頻繁にやるようになった。元々あまり学活の授業が好きではない私にとっては憂鬱だった。
しかし今日、その憂鬱さが少しだけ和らぐような出来事があった。ため息をついてふと、教室にある自分の机に目を向けると右上にメッセージが書いてあったのだ。
【六年頑張れ!】
その言葉に少し勇気をもらい、思わず微笑んでしまった。うん、と心の中で返事をして前を向く。心も一緒に前に向いてくれた気がした。
因みに、静葉たちのクラスの担任は美人な女性教師だった。静葉曰くそのクラスの男子が興奮していたらしい。いいなぁ、私も二組が良かった。二組だったら先生も良かったし、静葉たちとも一緒だったのにな。そう、もうどうしようもないことを考えていた。
始業式から約一ヶ月が経った頃、静葉と私はいつものように一緒に教室までの間を歩いていた。
「ねえ華花、樋口先生どんな感じ?」
「えー?別に、普通だけど。…そういえば、静葉の担任はどんな感じなの?」
「それがさ…あんまり私の好みじゃないかも。あーあ、華花と一緒に小学生生活最後の一年を過ごしたかったよ。」
「別に、違うクラスでも一緒だよ。私と静葉は!」
そう言ったら、もう!と言って抱きついてきた。私よりもはるかに身長が高い静葉は、私に抱きつくと抱きつくというより、かぶさるという表現の方が合っているのではないかと思う。私と静葉は、一年生からずっと仲が良くて、柚月と寧々歌を含めてよく四人で遊んでいた。今でも仲がいいと思うけど静葉とは特に大人になってもずっと一緒にいそうだ。本当に、そうなればいいな。
私は、ワクワクしながら登校した。担任の先生は誰だろう。友達の静葉、柚月、寧々歌とは同じクラスになれるだろうか。
「華花!おっはよ!」
毎朝そう言ってくれるのは、静葉だ。静葉は私と喧嘩して私に無視されても何度だっておはようと言ってくれる。そのお陰で私は静葉と一緒にずっといられるのだ。
「あ、私先にクラス表見てくるね!華花と一緒がいいなぁー!」
「うん、私も!」
静葉は校舎の方へかけて行った。
私も、早く見ようと静葉を追いかけて校舎の中に入った。すると、静葉が暗い顔をして出てきた。その瞬間何があったか理解でき、私も絶望と言わんばかりに凹む。
「一緒じゃなかったかー。」
「うん。あと…華花以外一緒だった。」
意外というのは、柚月と寧々歌のことだ。
「え…」
「華花!残念!だけど朝は一緒に行こうね。」
そう言ってもらえるのは嬉しいことだけど、人見知りの私はこの先どうすればいいのか…。友達ができるかも分からない。もう孤立覚悟だ。
何も足されていないはずなのに二キロは重くなったと感じるランドセルを背負って自分の教室、一組へと向かった。
そして、担任の先生が来た。私たちの担任は樋口陽太。熱血教師でこの学校では有名だ。体格がいい黒縁メガネの先生で今日も元気いっぱいという様子だ。
「樋口陽太です!皆さんこれから沢山思い出作っていきましょうね!よろしくお願いします!」
陽太という名前がそっくりそのまま人になったという感じがする。少なくとも先生の第一印象はあまり良いものではなかった。
さすがは、熱血教師。普通の先生がやらないことを普通かのようにやっていた。例えば、面談や学活の授業。面談は、先生が勝手にやりたいからと言ってやっているものだ。学活の授業は、今までよりも頻繁にやるようになった。元々あまり学活の授業が好きではない私にとっては憂鬱だった。
しかし今日、その憂鬱さが少しだけ和らぐような出来事があった。ため息をついてふと、教室にある自分の机に目を向けると右上にメッセージが書いてあったのだ。
【六年頑張れ!】
その言葉に少し勇気をもらい、思わず微笑んでしまった。うん、と心の中で返事をして前を向く。心も一緒に前に向いてくれた気がした。
因みに、静葉たちのクラスの担任は美人な女性教師だった。静葉曰くそのクラスの男子が興奮していたらしい。いいなぁ、私も二組が良かった。二組だったら先生も良かったし、静葉たちとも一緒だったのにな。そう、もうどうしようもないことを考えていた。
始業式から約一ヶ月が経った頃、静葉と私はいつものように一緒に教室までの間を歩いていた。
「ねえ華花、樋口先生どんな感じ?」
「えー?別に、普通だけど。…そういえば、静葉の担任はどんな感じなの?」
「それがさ…あんまり私の好みじゃないかも。あーあ、華花と一緒に小学生生活最後の一年を過ごしたかったよ。」
「別に、違うクラスでも一緒だよ。私と静葉は!」
そう言ったら、もう!と言って抱きついてきた。私よりもはるかに身長が高い静葉は、私に抱きつくと抱きつくというより、かぶさるという表現の方が合っているのではないかと思う。私と静葉は、一年生からずっと仲が良くて、柚月と寧々歌を含めてよく四人で遊んでいた。今でも仲がいいと思うけど静葉とは特に大人になってもずっと一緒にいそうだ。本当に、そうなればいいな。