卒業式が終わってからの、私は大きな心境の変化があった。まず、よく本などで目にする「心にポカンと穴が空いたような」の表現に100%合致する様な気持ちであるということ。来週からまた「おはよう」で授業が始まってもおかしくない様な気持ちだった。すごく不安定だ。
そして、段々と先生が今まで熱血指導してきてくれたことが嘘だったのではないかとも思う様になった。
私の小説を喜んで読んでくれていたこと。
六の一のみんなと毎日ドッジをしてくれていたこと。
一緒に楽しんでくれていたこと。
全部、本気で思ってくれていなかったんじゃないかと思う様になった。それは失礼なことだと分かっていてもやめられなかった。表面的なものだったら、すごくショックだと思う。でも、私は先生のやってきたことがたとえ嘘だったとしても感謝は忘れないと思った。事実、私たちの心にはちゃんと思い出が詰まっているのだから。寂しいって何度も思った。新しい学校で戸惑う時、何回もあの頃に戻りたいと願った。

でも、私は前に進む。一回離れ離れになったって、絶対にもう一度会えると確信してるから。その為にももっと自分を磨いておかないと、先生に自分を見せられない。
「先生と、六の一のみんな。絶対会おうね!」
心の中でそう言う。
かつての私はこの世の中に絶望して、最悪だって思ってたけど今は違う。
嘘はまだ沢山あるけど楽しいことも沢山あるから生きてるんだ。
綺麗事じゃない。これは私自身が経験して感じたことだから。
次にみんなと会う頃には人に尽くせる人間でいたい。
先生みたいに。


こうして長くもあり、短くもあった一年に私は終わりを告げた。
卒業は次へのスタートラインだよ。