リナの父親が病院の委員長?


それが本当だとしたら、ここはリナパパの病院?


んな、まさか――。


「そ、その噂に信憑性はあんのかよ」


「信憑性? そんなもんあるワケねぇだろ。ネット上の話しだぞ」


そう言って、ヒロシが笑う。


じゃぁいちいち俺にそんな話を聞かせてんじゃねぇよ! ハラハラしただろうがよ!!


「一部では借金返済しきれなくて身売りしたとか」


「もういい」


リナなら充分に歌で借金返済できるだろうが。


ちょっと考えればわかるのに、無名の書き込みはどこまでもエスカレートしていくもの。


信じるほうも信じるほうだ。


バカらしくなって俺は読みかけの本に手を伸ばした。


だけど……。


このヒロシの話をもっと真剣に聞いていればよかったのだと、すぐに後悔することになる――。