デカゴンは一度スピードに乗ってしまうと、ものすごい加速を始める。機体が大きいので、その後ろにつけた俺は、巨大トレーラーのスリップストリームに入った感覚だった。
俺の機体が翼端過流で引っ張られる。
デカゴンのパイロットは、コクピットにあるバックモニターで、俺が後ろにつけたのを気づいているだろうが、普通、自分の機体を揺すったりして追い払うのが、何もしない。
おそらくポンコツな外見の俺のことをなめているのだろう。
「ちくしょう! いまにみてろよ!」
落ち着きを取り戻した俺は、第一ループをくぐる直前に、ティルトローターを垂直にして可変翼を最大限折りたたみ、この「デカゴン」を追い抜いてやろうと身構えた。
フットペダルをじわじわ踏み込んでゆく。
第一ループをスズキンの小型クワッドが二機、通過するのが見えた。と思った次の瞬間、一斉に飛び込んだ七機がクラッシュした!
狩田の乗った「G Forrari」もそうだが、市販のドローンには全て、プロペラガードが義務付けられている。
Fー1マシンが、タイヤむき出しのように、レーサードローンの中には、プロペラガードを敢えて装着していないものが多かった。軽量化のためだが、これの欠点は、プロペラがちょっとでもループや、他のドローンに接触すると終わりなのだ。
第一ループのクラッシュは、そのプロペラむき出しのドローンが、ループに当たったことが引き金になった。当たった瞬間、隣のドローンに接触し、それが連鎖した。
ぐるぐると回転しながら墜落してゆくのや、一旦上空へ吹っ飛び、垂直落下してゆくもの、六発のプロペラのうち一発が壊れ緊急着陸するもの、バッテリーに引火し、火を吹きながら飛行を続けるもの、いきなり大混乱となった。
しかし、イエローフラッグなど出ない。地上のカーレースと違って、空のレースは事故ると地上に落ちるだけ。後続のドローンには何の影響もない。
レース続行。サバイバルが続く。
第一ループをくぐるとすぐにヘアピンカーブ。ものすごいGがかかり、顔がゆがむ。
次はスラローム。十メートルおきに立ったポールを次々とかわしていく。スズキンの二機が先頭のワンツー。約二百メートル前方を飛んでいる。
俺の機体が翼端過流で引っ張られる。
デカゴンのパイロットは、コクピットにあるバックモニターで、俺が後ろにつけたのを気づいているだろうが、普通、自分の機体を揺すったりして追い払うのが、何もしない。
おそらくポンコツな外見の俺のことをなめているのだろう。
「ちくしょう! いまにみてろよ!」
落ち着きを取り戻した俺は、第一ループをくぐる直前に、ティルトローターを垂直にして可変翼を最大限折りたたみ、この「デカゴン」を追い抜いてやろうと身構えた。
フットペダルをじわじわ踏み込んでゆく。
第一ループをスズキンの小型クワッドが二機、通過するのが見えた。と思った次の瞬間、一斉に飛び込んだ七機がクラッシュした!
狩田の乗った「G Forrari」もそうだが、市販のドローンには全て、プロペラガードが義務付けられている。
Fー1マシンが、タイヤむき出しのように、レーサードローンの中には、プロペラガードを敢えて装着していないものが多かった。軽量化のためだが、これの欠点は、プロペラがちょっとでもループや、他のドローンに接触すると終わりなのだ。
第一ループのクラッシュは、そのプロペラむき出しのドローンが、ループに当たったことが引き金になった。当たった瞬間、隣のドローンに接触し、それが連鎖した。
ぐるぐると回転しながら墜落してゆくのや、一旦上空へ吹っ飛び、垂直落下してゆくもの、六発のプロペラのうち一発が壊れ緊急着陸するもの、バッテリーに引火し、火を吹きながら飛行を続けるもの、いきなり大混乱となった。
しかし、イエローフラッグなど出ない。地上のカーレースと違って、空のレースは事故ると地上に落ちるだけ。後続のドローンには何の影響もない。
レース続行。サバイバルが続く。
第一ループをくぐるとすぐにヘアピンカーブ。ものすごいGがかかり、顔がゆがむ。
次はスラローム。十メートルおきに立ったポールを次々とかわしていく。スズキンの二機が先頭のワンツー。約二百メートル前方を飛んでいる。
