カーレーサーや、曲芸飛行のパイロットからドローンレーサーに転向した者は違和感なく操縦出来る。しかし、スティックタイプは指を動かすだけ。クイックレスポンスが格段に違う。ハンドルを握った両腕全体を動かすか、指先だけ動かすかのコンマ数秒の差は、歴然としている。
スティックを使うラジコンドローンは、それ専門の大会があり、そのコンテストや、ゲームのレースだけでも十分お金が稼げるので、あえて命をかける本物のドローンレースには、ゲーマーやラジコン上がりのパイロットは来る者がいなかった。
亀爺さんはスティックタイプの方に賭け、そのパイロットがいつか現れるのを、じっと待っていたのだ。
「とうとう、のろまな亀に羽が生える時が来た。その羽はお前じゃ。わしらを世界に羽ばたかせてくれ! お願いじゃ。わしの夢を叶えてくれ! お前は天才レーサーじゃ。わしは天才メカニックじゃ! わしとお前なら、きっと世界チャンピオンになれるはずじゃ!」と爺さんは力説する。ジェロニモも、一流メカニックの腕前なので、爺さんとジェロニモと、三人でやれば絶対大丈夫と言うのだ。
俺が夢中でやっていたオンラインゲーム、ドローンレースの腕がこんなところで発揮できるとは夢にも思っていなかった。しかも、ラジコンマイクロドローンの操縦感覚は、実機のドローンとほぼ同じだった。
爺さんは俺に草レース場での猛練習を課したが、俺は難なくそれをクリアしていく。
俺にとって、オンラインゲームでやり慣れた複雑なアクロバット飛行に比べれば、大した障害物の無いレース場での飛行は、お茶の子さいさい。
しかも、実機のスピードは、オンラインゲームのスピードより遅く、全てがスローモーションに感じ、海中を泳ぐ亀にでも乗っているような気分だった。
爺さんはある日、「富士スピードスカイウェイ」のレース場を練習に借りた。
そこで出した記録は練習でも公式記録とされ、テレビやウェブを主体とする様々なメディアによって報道される。
俺がそこで、何周目かに、日本最高新記録をあっさりと叩き出した。
その噂はその日のうちに、あっという間に広がった。
スティックを使うラジコンドローンは、それ専門の大会があり、そのコンテストや、ゲームのレースだけでも十分お金が稼げるので、あえて命をかける本物のドローンレースには、ゲーマーやラジコン上がりのパイロットは来る者がいなかった。
亀爺さんはスティックタイプの方に賭け、そのパイロットがいつか現れるのを、じっと待っていたのだ。
「とうとう、のろまな亀に羽が生える時が来た。その羽はお前じゃ。わしらを世界に羽ばたかせてくれ! お願いじゃ。わしの夢を叶えてくれ! お前は天才レーサーじゃ。わしは天才メカニックじゃ! わしとお前なら、きっと世界チャンピオンになれるはずじゃ!」と爺さんは力説する。ジェロニモも、一流メカニックの腕前なので、爺さんとジェロニモと、三人でやれば絶対大丈夫と言うのだ。
俺が夢中でやっていたオンラインゲーム、ドローンレースの腕がこんなところで発揮できるとは夢にも思っていなかった。しかも、ラジコンマイクロドローンの操縦感覚は、実機のドローンとほぼ同じだった。
爺さんは俺に草レース場での猛練習を課したが、俺は難なくそれをクリアしていく。
俺にとって、オンラインゲームでやり慣れた複雑なアクロバット飛行に比べれば、大した障害物の無いレース場での飛行は、お茶の子さいさい。
しかも、実機のスピードは、オンラインゲームのスピードより遅く、全てがスローモーションに感じ、海中を泳ぐ亀にでも乗っているような気分だった。
爺さんはある日、「富士スピードスカイウェイ」のレース場を練習に借りた。
そこで出した記録は練習でも公式記録とされ、テレビやウェブを主体とする様々なメディアによって報道される。
俺がそこで、何周目かに、日本最高新記録をあっさりと叩き出した。
その噂はその日のうちに、あっという間に広がった。