この先どうなるんだろう? と、一抹の不安が頭をよぎるが、意味もない受験勉強なんてまっぴらだ。なんとかなるだろう。
俺は毎晩、悶々としながら眠りに落ちた。
ハードなレッスンが続くある日の日曜日、社長が小遣いをくれたので、全員で原宿に出かけた。事務所の入った雑居ビルは、原宿と渋谷のちょうど中間地点に位置する。
RAV4は雑居ビルの地下駐車場に停めたまま、原宿までみんなで歩く。
竹下通りまで来ると、ジャージ姿の彼女たちはさすがに恥ずかしがっている。
今時、田舎の中学生でもジャージで修学旅行には出かけない。美少女が台無しだ。
ポーラはジャージの上下でも、平気な顔をして笑っている。
俺は何度か来たことがあった竹下通りを適当に案内して回る。
色んな店で、思い思いの服を買って、試着室で着替えて出てきた彼女たちはひときわ目を引いた。道行く人々が、ほぼ全員振り返る。彼女たちは既にオーラを発していた。
最新の可愛いファッションに、抜群のコーディネート。
「ひゃー、だっせー!」
「きゃっはー! ふるくッセー!」
「レトロとろとろ! めちゃうけるし」
「フルカワさん、フルイチイマイチ!」
お互いが、指差しあって笑い転げる。そりゃそうだろ。彼女たちが生まれる前の服だ。
いきなり、スカウトマンらしき軽そうな男が近づいてきた。
「ねーねー、君たち、どこからきたの?」
「ん? 未来から。あたしたち、未来からきたの」
「まったまた、面白いね~君たち! コリトン星からきた、ゆうんこりん二世かな~」
間に割って入って、恐る恐る俺が言う。
「すみません。この子たち、ドールキッズに決まってますから」
「ん? ドールキッズゥ? ああ、あの地下とか地底ばっかりの、新しい事務所かぁ、ちっ!」
舌打ちしながら、スカウトマンはしぶしぶ向こうへ行った。
俺もこの際、コニクロのGパンTシャツはやめて、ウラ原で買ったダメージジーンズに、ドクロマークの入った、黒いスエットにした。ポーラが勧めるので、ユーズドショップでポーラとお揃いのキャップも買った。ショーウィンドウに映った俺たち二人は、帽子だけペアルックみたいになる。
みんなで、クレープ屋の前で立ち食いしたが、
「ちょっとちょっと、お似合いじゃない」
「なんかペアってるみたい」
「つきあっちゃいなよ」
俺は毎晩、悶々としながら眠りに落ちた。
ハードなレッスンが続くある日の日曜日、社長が小遣いをくれたので、全員で原宿に出かけた。事務所の入った雑居ビルは、原宿と渋谷のちょうど中間地点に位置する。
RAV4は雑居ビルの地下駐車場に停めたまま、原宿までみんなで歩く。
竹下通りまで来ると、ジャージ姿の彼女たちはさすがに恥ずかしがっている。
今時、田舎の中学生でもジャージで修学旅行には出かけない。美少女が台無しだ。
ポーラはジャージの上下でも、平気な顔をして笑っている。
俺は何度か来たことがあった竹下通りを適当に案内して回る。
色んな店で、思い思いの服を買って、試着室で着替えて出てきた彼女たちはひときわ目を引いた。道行く人々が、ほぼ全員振り返る。彼女たちは既にオーラを発していた。
最新の可愛いファッションに、抜群のコーディネート。
「ひゃー、だっせー!」
「きゃっはー! ふるくッセー!」
「レトロとろとろ! めちゃうけるし」
「フルカワさん、フルイチイマイチ!」
お互いが、指差しあって笑い転げる。そりゃそうだろ。彼女たちが生まれる前の服だ。
いきなり、スカウトマンらしき軽そうな男が近づいてきた。
「ねーねー、君たち、どこからきたの?」
「ん? 未来から。あたしたち、未来からきたの」
「まったまた、面白いね~君たち! コリトン星からきた、ゆうんこりん二世かな~」
間に割って入って、恐る恐る俺が言う。
「すみません。この子たち、ドールキッズに決まってますから」
「ん? ドールキッズゥ? ああ、あの地下とか地底ばっかりの、新しい事務所かぁ、ちっ!」
舌打ちしながら、スカウトマンはしぶしぶ向こうへ行った。
俺もこの際、コニクロのGパンTシャツはやめて、ウラ原で買ったダメージジーンズに、ドクロマークの入った、黒いスエットにした。ポーラが勧めるので、ユーズドショップでポーラとお揃いのキャップも買った。ショーウィンドウに映った俺たち二人は、帽子だけペアルックみたいになる。
みんなで、クレープ屋の前で立ち食いしたが、
「ちょっとちょっと、お似合いじゃない」
「なんかペアってるみたい」
「つきあっちゃいなよ」