しかし、次にループから出てきたのは男物の革靴だった。革靴のかかとは、昴の両肩を踏みしめたかと思うと、ズリッっと両方一緒に滑って、口を開けた昴の顔面に、男物のスラックスの股間が「むにゅっ」っと密着した。少し湿り気がありイカしょん臭い。
 顔を見ると、割れたサングラスをかけた、おっさんだった。僕は、うつ伏せになり吐き気をもよおす。 
 地面に向かって、ゲーゲーやっていると、
「なにやってんの、はやくあのループをしまって! はやくはやくっ」
 昴は、綺麗なお姉さんに襟の後ろをつかまれ、引き起こされる。
 ループに両手をかけ、折りたたもうとした瞬間、向こうから暗視ゴーグルをつけたヘルメットの男と銃口が覗いた。
 折りたたむ途中の隙間から銃口が突っ込まれたが、すぐ引っ込んで行き、静寂が訪れた。
「いったい何が起こったというのだろう?」
 畳んだランディングパッドと、木から外したロープを持ったまま振り返った瞬間、
「ギャー!」
「ヒィー!」
「キャー!」
「ウギャー!」
 という悲鳴とともに、オッパイ丸出しのポーラと、胸の大きく空いたエプロン姿のミニスカの美少女三人が、一斉に昴に抱きついた。ポーラのオッパイは昴の左腕を挟み込む。美少女の一人は右腕、もう一人は後ろに回って腰に抱きつく。一番小さな一人は飛び上がって昴の頭に抱きついた。たこのイラストが描かれたエプロン姿。
 昴の顔はその美少女のお腹で圧迫される。全員、がたがた震えている。
 狩田は、腰を抜かしてへたり込み、顎が外れたのか「あわあわ」している。
 一体全体、何が起こっているのだろうか? 
「がががが、ガイコツ……みみみみミイラも……しししし屍体も、あわわわわ……」
 ポーラが一番怯えている。昴の左腕はポーラのオッパイ圧力で血が止まりそうなほどだ。
 昴の手の甲は、お姉さんに挟まれた股間から動かせない。
「こ、ここ、こ、ここは、じ、じじ、地獄なのぉぉぉぉ……」
 消え入りそうな声。美少女三人はガタガタ震えるだけで、声も出ない。
 昴は顔に抱きついていた美少女をゆっくり下ろすと、その子はすぐに昴のお腹に抱きつき、昴は四方全て、美少女たちとオッパイのお姉さんで取り囲まれた。