「くそっ、僕もあの大会にエントリーさえ出来たら、絶対に優勝できた。しかし、あのクソ親父は、予選の日も、僕に老人のオムツ交換を命じた。くそっくそっくそっ!」
苦労して自作した僕の分身とも言えるマイクロドローンは、昴の手のひらから離陸すると、搭載したLEDサーチライトを点灯し、樹海の森へと飛んで行った。
もう樹海は、深い闇に包まれている。
マイクロドローンのサーチライトで照らされた樹海の森がゴーグルの中で流れ飛んで行く。トンネルだらけの首都高速を疾走する感覚。しかも、小枝や葉っぱなど障害物だらけ。
昴はそれを、磨きをかけた操縦テクニックで次々にかわして行く。
明るい昼間なら比較的簡単だ。しかし夜になると途端に難易度が上昇する。ジャングルのラリーを、夜やるようなものだ。しかも、空を飛ぶドローンに道はない。
百メートルくらい飛んでいった場所で、急に垂れ下がったロープが目の前に現れた。
「おっと!」
水平飛行のドローンを瞬間的に縦にして、ロープの隙間をくぐり抜ける。
「首吊りロープだな……」
ドローンを急停止させ、その場でUターンしてみる。枝から垂れ下がったロープが見えた。ゆっくり高度を下げると、画面いっぱいに骸骨の顔が広がった。
画面に映った骸骨が少し暗くなった。
「あ、やっべ、そろそろもどすか」
ドローンに搭載したバッテリーをサーチライトにも使っているので、夜間の飛行時間は半分くらいになる。昴は大急ぎで、引き返す。と言っても、指先を素早く動かすだけだ。
ゲームで慣れた昴にはこんなマイクロドローンを飛ばすことなど、朝飯前。
父親に隠れてやっていたオンラインゲームでは世界チャンピオンになりかけたこともある。
マイクロドローンはすぐに樹海の森を抜け、画面にはゴーグルを付けて立っている昴自身が映った。
「バッテリーは、まだ大丈夫そうだ」ドローンの向きを変えると、さっき、ぶら下げた、穴の空いたランディングパッドが闇夜に浮かんでいる。
「ああ、あのクソ親父のせいでつまらない人生だったな、このループに僕は首を突っ込んで、あの世に行くのか、これで最後だな……」
ドローンをランディングパッドの穴に向かって飛ばした。
ループを抜けると画面いっぱいにオッパイが映った! すぐにぶつかっって跳ね返る。
苦労して自作した僕の分身とも言えるマイクロドローンは、昴の手のひらから離陸すると、搭載したLEDサーチライトを点灯し、樹海の森へと飛んで行った。
もう樹海は、深い闇に包まれている。
マイクロドローンのサーチライトで照らされた樹海の森がゴーグルの中で流れ飛んで行く。トンネルだらけの首都高速を疾走する感覚。しかも、小枝や葉っぱなど障害物だらけ。
昴はそれを、磨きをかけた操縦テクニックで次々にかわして行く。
明るい昼間なら比較的簡単だ。しかし夜になると途端に難易度が上昇する。ジャングルのラリーを、夜やるようなものだ。しかも、空を飛ぶドローンに道はない。
百メートルくらい飛んでいった場所で、急に垂れ下がったロープが目の前に現れた。
「おっと!」
水平飛行のドローンを瞬間的に縦にして、ロープの隙間をくぐり抜ける。
「首吊りロープだな……」
ドローンを急停止させ、その場でUターンしてみる。枝から垂れ下がったロープが見えた。ゆっくり高度を下げると、画面いっぱいに骸骨の顔が広がった。
画面に映った骸骨が少し暗くなった。
「あ、やっべ、そろそろもどすか」
ドローンに搭載したバッテリーをサーチライトにも使っているので、夜間の飛行時間は半分くらいになる。昴は大急ぎで、引き返す。と言っても、指先を素早く動かすだけだ。
ゲームで慣れた昴にはこんなマイクロドローンを飛ばすことなど、朝飯前。
父親に隠れてやっていたオンラインゲームでは世界チャンピオンになりかけたこともある。
マイクロドローンはすぐに樹海の森を抜け、画面にはゴーグルを付けて立っている昴自身が映った。
「バッテリーは、まだ大丈夫そうだ」ドローンの向きを変えると、さっき、ぶら下げた、穴の空いたランディングパッドが闇夜に浮かんでいる。
「ああ、あのクソ親父のせいでつまらない人生だったな、このループに僕は首を突っ込んで、あの世に行くのか、これで最後だな……」
ドローンをランディングパッドの穴に向かって飛ばした。
ループを抜けると画面いっぱいにオッパイが映った! すぐにぶつかっって跳ね返る。