半分ぐらい開くと、墜落の衝撃でフロントホックのブラジャーが外れオッパイモロ出しのポーラが、ボールと一緒に仰向けに転がり出てきた。
 ドアが完全に開くと、パチンコ玉の様に大量のボールが流れ出てきて、それと一緒に、ミニスカがめくれ上がった、三人の美少女がゴロゴロと転がり出た。

 現在  神奈川 御殿場 青木ヶ原の樹海  

 昴(スバル)は樹海に向かってトヨタRAV4を走らせていた。
 二十五年以上経った初期型RAV4は、たったの十万円だった。十九歳の昴が生まれる前に作られた車だ。
 ボンネットには若葉マークがついて、車内のセンタークラスターには、昔ながらのラジカセがついている。
 運転する昴の?には、往復ビンタで出来た、手のひらの赤い跡。
 浪人中、父親に内緒で取った運転免許。即日交付されたその日、そのままの足で近所の中古屋に買いに行ったポンコツの小型四駆だが、隠し持っていたのを、父親に見つかったのだ。
 神奈川県の片田舎、御殿場市にある、たいして儲かっていない病院の跡取り息子として生まれた星野昴(ホシノスバル)は、医者になって病院を継ぐことを強要された。
 でも、父親と違って、短大卒の母親に似た昴は、学校の成績が悪かった。
 母親は、父親と若い看護婦の浮気に愛想をつかし、昴がまだ小さな頃、離婚し、家を出た。昴は、体も小さく、弱かったので、学校でも、いじめられた。
 よういう医者のボンボンとは違って、小遣いも多くはない。
 運転免許と車は、取得費用など諸経費も含めて、丸ごと学生ローン。
 浪人生だというのに、親が医者だと言うと、すぐにローンが組めた。
 父に黙ってハンコを持ち出し、勝手に保証人にしたからだ。
 それが父にバレ、父の逆鱗に触れた。
「この馬鹿野郎!」と言って、昴に?ビンタをして、
「すぐにその車を返してこい!」と、怒鳴りつけたのだった。
 僕は自他共に認めるゲームヲタクだ。
 毎週末、塾に行くふりをしては、ゲーセンに行っていた。
 そんな高校時代だったから、医大の入試など合格するわけがなく、あっさり浪人した。
「お前はバカじゃないんだ。やればできるんだ。努力は必ず報われる」
 と、親父は繰り返す。しかし、