「ごめんね、ごめんね」今度は、広部も一緒になって謝った。
いつものことだ、きりがない、と判断した春本は話題を変える。
「それから、スバル君には、一旦、受験勉強に専念してもらうことになった。来年の春、受験がうまくいったら、また、アルバイトで来てもらうかもしれない。それまでは、みんな、オリンピックスタジアムの公演に集中してくれ。いいね!」
ロミオとジュリエットのような永遠の恋も、過ぎてしまえば、ただの熱病だったということになる。もうスバルが連絡を寄越すことはないだろう。
時が経てば、そのうちレイワも、みんなも、スバルのことは綺麗さっぱり忘れてしまう。
一度スポットライトを浴びると、二度と普通の生活には戻れない。そのスポットライトが強ければ強いほど……。
芸能プロの社長としては駆け出しだが、研究熱心な春本は、少女たちの心理を知り抜いていた。
「小山君、警備の方は、よろしく頼んだよ」
春本は、ピチバレのメンバーの後方、ドアの前で太った腹を突き出し、後方彼氏面(ずら)で、腕組みをして立っている小山太(フトシ)の方を向いて言った。
フトシは、ピチバレ最古参のファン。
韓に名前を認知されて以来、ピチバレ全てのイベントに遠征し、全通した。
そのうちTOと呼ばれるトップヲタとなったが、いつも単騎でドセンの立ち位置をキープしていたため、新規からは、トップ中のトップであるTOK、トップヲタキングと呼ばれ崇拝される。TOKは、広島ではBOK、ぶちヲタキング。名古屋では、DOK、どぇりゃヲタキングと、地方によって微妙に呼び方が違った。
フトシは、どこに行っても、ピチバレ最古参のヲタとして、地方のトップヲタからも一目おかれる存在となっていた。マナーは最高に良かったし、布教活動もしてくれるから、メンバーからもドールキッズ社からも、評判の推されヲタになり、そのうち、広部からスカウトされ、半ヲタと呼ばれる運営側へと昇格したのだった。
いつものことだ、きりがない、と判断した春本は話題を変える。
「それから、スバル君には、一旦、受験勉強に専念してもらうことになった。来年の春、受験がうまくいったら、また、アルバイトで来てもらうかもしれない。それまでは、みんな、オリンピックスタジアムの公演に集中してくれ。いいね!」
ロミオとジュリエットのような永遠の恋も、過ぎてしまえば、ただの熱病だったということになる。もうスバルが連絡を寄越すことはないだろう。
時が経てば、そのうちレイワも、みんなも、スバルのことは綺麗さっぱり忘れてしまう。
一度スポットライトを浴びると、二度と普通の生活には戻れない。そのスポットライトが強ければ強いほど……。
芸能プロの社長としては駆け出しだが、研究熱心な春本は、少女たちの心理を知り抜いていた。
「小山君、警備の方は、よろしく頼んだよ」
春本は、ピチバレのメンバーの後方、ドアの前で太った腹を突き出し、後方彼氏面(ずら)で、腕組みをして立っている小山太(フトシ)の方を向いて言った。
フトシは、ピチバレ最古参のファン。
韓に名前を認知されて以来、ピチバレ全てのイベントに遠征し、全通した。
そのうちTOと呼ばれるトップヲタとなったが、いつも単騎でドセンの立ち位置をキープしていたため、新規からは、トップ中のトップであるTOK、トップヲタキングと呼ばれ崇拝される。TOKは、広島ではBOK、ぶちヲタキング。名古屋では、DOK、どぇりゃヲタキングと、地方によって微妙に呼び方が違った。
フトシは、どこに行っても、ピチバレ最古参のヲタとして、地方のトップヲタからも一目おかれる存在となっていた。マナーは最高に良かったし、布教活動もしてくれるから、メンバーからもドールキッズ社からも、評判の推されヲタになり、そのうち、広部からスカウトされ、半ヲタと呼ばれる運営側へと昇格したのだった。
