握りしめていたメガネを祭壇に置き、よろよろと立ち上がる。


「悠真君?」

「兄貴の部屋に行かないと。上から二段目の引き出し……だったっけ?」

「あ、私も一緒に行っていいかな……?」

「いいよ、一緒に行こう」


笑顔で頷くと、ルカは僕の手をギュッと繋いだ。

部屋を出て階段をあがり、二階の兄貴の部屋のドアを開ける。

主がいないにも関わらず清潔感のあるこの部屋。

母さんが毎日掃除しているせいでもあるだろうけれど、生きている時から兄貴が綺麗にしていた証拠。

そういうところも手を抜けなかったんだろうな。