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 突然、鼻先を蹴り上げられて、僕は目を覚ました。
 見上げれば、萩上が目を細めた不機嫌な様子で僕を見下ろしている。
 はっとしてスマホの時刻を確認すると、午後六時を回っていた。
 萩上も今しがた起きたのか、ぼさぼさになった髪の毛をかき上げて僕に命令した。
「お腹空いた」
「うん」僕は慌てて立ち上がる。「買ってくるよ。何がいい?」
「なんでもいい」
「わかった」
 財布を持つと、外に出る。
 昨日と同じコンビニのおにぎりでいいかな? あいつ、自分では否定するけど、おかかを気に行ってたし…。
 でも、毎日コンビニの食べ物って、身体にも財布にも優しくないな。
 西に傾いた太陽が、コンビニへと駆ける僕の影を、濃く、長く映していた。