その日はみんなで手分けして、街のあちこちにチラシを貼ったり、置かせてもらっていった。
 チラシが無くなるころにはもう夕方だった。
「あー、お腹すいた~」
 レオがぐったりとしながら言う。
「ふふっ、お疲れ。じゃあ、零を呼んで歓迎会かねて食べに行くか!」
 シアンがニヤッと笑って言った。
「あれ? 零って大丈夫なの?」
「んー、暇してそうだから大丈夫じゃない?」
 シアンは宙を見つめながら言う。
 そして、何度か軽くうなずき、
「恵比寿の焼き肉屋になったよ」
 そう言ってニッコリと笑った。











3-15. 海王星の衝撃

 恵比寿へ転移し、四人でテーブルを囲んでいると零がやってきた。
「こ、こんにちは……」
 長身でボサボサの髪をした細身のエンジニア、零はこげ茶のジャケットを着て現れる。
 零は若い女の子三人と子供が一人という面子に、いささかとまどっていた。異世界のチームなのだから常識は通用しないとは分かっているものの、実際目の当たりにするとやはり動揺してしまう。
「零さん、はじめまして!」
 レオがニコッと笑って言うと、
「お、お世話になります……」
 と、軽く会釈をした。
「ビールでいい?」
 シアンはニコニコしながら聞いた。
「は、はい」
 零に座ってもらい、自己紹介をしていると飲み物がやってくる。
「それでは、零君のジョインを祝ってカンパーイ!」
「カンパーイ!」「カンパーイ!」「カンパーイ!」「カンパーイ!」
 シアンは一気にジョッキを空けると、
「すみませーん、ピッチャー二つお願いしまーす!」
 と、叫んだ。
 そして、レヴィアは肉の皿を取り、そのままドサッと金網の上に肉を全部落とした。
「こんなのはチマチマやってちゃいかん」
 そう言いながら金網の上の肉をならす。そして、まだ全然火の通ってない赤い肉をゴッソリ取るとそのまま丸呑みした。
 零は一気飲みするシアンや、女子中学生の様な金髪おかっぱ娘の豪快なテンションに圧倒される。
「予定通り来られそうですか?」
 オディーヌは笑顔で聞いた。
 zoomでは良く分からなかったオディーヌの美貌に、零は気圧されながら答える。
「あ、もちろん。すでに引継ぎに入ってます」
「それは良かったわ」

 零は気を落ち着けるべく、ビールをゴクゴクと飲んだ。
 そして大きく息をつくと聞いてみる。