「一日で街を作れるメンバーなんじゃよ」
 レヴィアはドヤ顔で言った。
「そ、それは感服しました……」
 零は圧倒される。林立するタワマンに巨大スタジアム、一体どうやったら一日で作れるのか? 本当だとしたら異世界とは常識の通じないすさまじい所……。零は背筋がゾクッとした。
「メンバーは豪華ですよ」
 オディーヌはニッコリと笑って言った。
「あ、治安とかは大丈夫ですか? 魔物が出たり盗賊が出たりは……」
「治安は大丈夫。うちの軍事警察力は宇宙一、米軍を瞬殺できるくらい最強じゃ」
 レヴィアは目をつぶり、ちょっと気が重そうに言った。
「米軍を瞬殺!? この四人で……ってことですよ……ね?」
「実質一人じゃがな」
 レヴィアは淡々と言い、シアンは、
「きゃははは!」
 と、笑った。
 零はこの荒唐無稽な話をどう考えたらいいのか悩む。とは言え、ウソを言っているような感じではない。ドラゴンが火を噴いていたが、あの不可解なエネルギーを使えば本当に米軍を瞬殺できるかもしれない……。でもドラゴンが米軍を? それはまさにファンタジーの世界の話だった。

「他にご質問は?」
 オディーヌが聞く。
「えーと……。一度参加したら異世界に行きっぱなしですか?」
「基本そうなります。ただ、止むに止まれぬ理由があったらその時は帰れます。異世界の事は一切口外してはなりませんが」
「守秘義務……ですね」
「そうです」
「職場はどこになりますか? その部屋ですか?」
「あー、どうですかね? ここでもいいし、タワマンの好きな部屋でもいいし……」
「オフィス使おうよ!」
 レオが言った。
「え? あぁ、あのビルもう使えますか?」
 オディーヌがシアンに聞く。
「ん? ネットさえつなげればOK。レヴィアよろしく!」
 と、シアンはレヴィアに振る。
「わ、わかりました……」
 レヴィアは渋い顔でうなずいた。
「ということで、動画で出てた超高層ビルのオフィスになりました」
 オディーヌはニコッと笑って言った。
「そ、それは凄いですね。分かりました。ありがとうございます」
 零は頭を下げる。

「どうですか? うちで働いてくれますか?」
 オディーヌは少し上目遣いで瞳をキラッと光らせて言った。