翌日、零のところにGmailのアドレスからメールがあった。zoom面接の案内だった。日程をいくつかある中から選んで返信すると、すぐに確定の返事が届く。いたずらにしては手が込み過ぎていると思い、零はドキドキしながら面接の時間を待った。

 面接時間がやってきた。パソコンにはパーティールームのテーブルに並ぶ四人と零の映像が並ぶ。
「よ、よろしくお願いします……」
 インカムをつけた零は緊張しながら切り出す。
「私は採用担当のオディーヌです。今回はご応募ありがとうございました。GitHub見させていただきましたが、素晴らしい技術力ですね」
 オディーヌはニコッと美しい笑顔で話した。
「あ、いや、それほどでも……」
 零は謙遜する。
「それでは志望動機について教えてください」
「異世界に興味がありまして、もし動画みたいなところがあるなら行ってみたいなと……。それから、新たな国づくり、とてもやりがいがありそうだったので」
「あの動画はあるがままをiPhoneで撮っただけです。現実ですよ」
「では、異世界は本当にあると……?」
「あるというか、私たちからしたら日本が異世界なんですけどね」
 苦笑するオディーヌ。
「あ、そ、そうですよね」
「ちょっと技術的な質問いい?」
 シアンが横から口を出す。
「は、はい」
 シアンはパソコンを手元に持ってくると、GitHubの画面を共有し、そこからソースコードを一つ選んで拡大した。
「ここの処理だけど、DB叩くならこう書いた方が正しくない?」
 そう言ってシアンはチャットにソースコードを打ち込んだ。
「あっ! ……。でも、このテーブルはこうクエリかけた方が、出てくるデータの順番が都合がいいんです」
「ふーん、なるほどね……」
 シアンはそう言ってうなずき、パソコンを元の位置に戻した。

「何か質問はありますか?」
 オディーヌが聞く。
「設立準備委員会というのは何人いるんですか?」
「これで全部じゃ」
 レヴィアが答える。
「え? 見たところ皆さんお若いようですが、この四名だけで国づくりを?」
 困惑する零。画面に映っている四名はどう見ても全員十代だった。
「街の様子は動画で見たじゃろ? あれ何日で作ったと思う?」
「何日って……四人ですよね? 何年かかっても無理……そうですが……」
「一日じゃ」
「へっ!?」