おびえながら両手を前にして、何とか説得しようとしたレオだったが、
「問答無用!」
そう言って男は剣を振りかぶり、一気に袈裟切りに刃を振り下ろした。
とっさに腕でかばうレオ。
パキィィン!
甲高い金属音がして剣は割れ、刀身はクルクルと宙を舞って地面に刺さった。
「へ?」「あれ?」
驚くレオと黒装束の男たち。
「セイヤ!」
後ろから別の男が剣で斬りかかったが、また剣は割れて刀身は飛んで行った。
奇妙な沈黙が場を支配する。
剣が効かない少年。一体、何をどうしたらいいのかわからず、男たちは戸惑っていた。
すると、空からバチバチバチッと激しい破裂音がして、雷のようなまばゆい閃光が辺りを照らす。
みんなが音の方向を見上げると、そこにはシアンが両手を向かい合わせにして浮いていた。そして手の間には激しい閃光があがり、直視できない程のまぶしさで輝く。
「な、なんだありゃぁ!」
黒装束の男たちは声をあげながら、本能的に危険を感じ、目に恐怖の色を浮かべた。
まばゆい輝きはさらに強烈になり、天も地もすべて激烈な輝きに埋め尽くされ、みんな目を覆う。
「うわぁぁぁ!」「なんだこりゃぁ!」
いきなりやってきた、この世の終わりのような光の洪水にみんな恐怖に震えた。
直後、輝きはいきなりおさまる――――。
みんな、恐る恐る空を見上げた。
そこでは、シアンが何やらおぞましい漆黒の球をかかえ、
「殲滅暗黒完成! きゃははは!」
と、響き渡る声でうれしそうに笑う。
シアンは地球と同サイズの星を約二センチメートルくらいに圧縮し、ブラックホールにしたのだった。地面に落ちないようにコントロールしているが、その強烈な引力は常識を超える力で空間すら歪ませていた。
殲滅暗黒の周りにはドス黒いオーラのようなモヤが渦巻いており、紫色のスパークが時折パリパリっと閃光を放つ。
その場にいるものは皆、見たこともない恐るべき脅威に戦慄した。
1-4. 圧倒的な物理
「ま、魔女だぁ!」
レオを囲んでいた者たちは、馬車の方へと一目散に逃げだした。
その様子を見ていた黒装束の男たちの頭目は、
「また、怪しい魔術師が出てきやがった……。だが、うちにも先生がいる! 先生! お願いします!」
「問答無用!」
そう言って男は剣を振りかぶり、一気に袈裟切りに刃を振り下ろした。
とっさに腕でかばうレオ。
パキィィン!
甲高い金属音がして剣は割れ、刀身はクルクルと宙を舞って地面に刺さった。
「へ?」「あれ?」
驚くレオと黒装束の男たち。
「セイヤ!」
後ろから別の男が剣で斬りかかったが、また剣は割れて刀身は飛んで行った。
奇妙な沈黙が場を支配する。
剣が効かない少年。一体、何をどうしたらいいのかわからず、男たちは戸惑っていた。
すると、空からバチバチバチッと激しい破裂音がして、雷のようなまばゆい閃光が辺りを照らす。
みんなが音の方向を見上げると、そこにはシアンが両手を向かい合わせにして浮いていた。そして手の間には激しい閃光があがり、直視できない程のまぶしさで輝く。
「な、なんだありゃぁ!」
黒装束の男たちは声をあげながら、本能的に危険を感じ、目に恐怖の色を浮かべた。
まばゆい輝きはさらに強烈になり、天も地もすべて激烈な輝きに埋め尽くされ、みんな目を覆う。
「うわぁぁぁ!」「なんだこりゃぁ!」
いきなりやってきた、この世の終わりのような光の洪水にみんな恐怖に震えた。
直後、輝きはいきなりおさまる――――。
みんな、恐る恐る空を見上げた。
そこでは、シアンが何やらおぞましい漆黒の球をかかえ、
「殲滅暗黒完成! きゃははは!」
と、響き渡る声でうれしそうに笑う。
シアンは地球と同サイズの星を約二センチメートルくらいに圧縮し、ブラックホールにしたのだった。地面に落ちないようにコントロールしているが、その強烈な引力は常識を超える力で空間すら歪ませていた。
殲滅暗黒の周りにはドス黒いオーラのようなモヤが渦巻いており、紫色のスパークが時折パリパリっと閃光を放つ。
その場にいるものは皆、見たこともない恐るべき脅威に戦慄した。
1-4. 圧倒的な物理
「ま、魔女だぁ!」
レオを囲んでいた者たちは、馬車の方へと一目散に逃げだした。
その様子を見ていた黒装束の男たちの頭目は、
「また、怪しい魔術師が出てきやがった……。だが、うちにも先生がいる! 先生! お願いします!」