シアンはご満悦の様子だったが、三人はゲッソリとして無言だった。
「さーて、寝るか!」
 そう言うとシアンは手を上げる。ボン! と爆発音を伴いながら、丸太でできたコテージが神殿の広大な広間に出現した。
「へっ! ちょっと、シアン様、ここ、我の寝床なんですが……」
「レヴィアも人型になってよ、一緒に寝よう!」
 そう言いながら、シアンはレオとオディーヌを連れてコテージの中へと入って行った。
「あ……」
 レヴィアはそれを見ると、重低音のため息をつき。渋々また金髪のおかっぱ娘になってついて行った。
 コテージの中は2LDKとなっていて、広いダイニングキッチンに、ベッドルームが2つだった。一つはツイン、一つはダブルである。
「レオは僕と寝よう!」
 そう言ってシアンは、レオを連れてダブルベッドの部屋へと入って行った。
 シアンは服を瞬時にピンクのパジャマに替えると、ピョンと飛んで、ベッドにダイブする。
 ベッドを見たレオは、
「え? ベッド一つしかないよ……?」
 と、シアンに聞く。
「いいじゃない、一緒に寝よ!」
 寝転がったシアンはそう言ってベッドマットをポンポンと叩く。
「えっ? いや、そのぅ……」
 赤くなるレオ。
「なぁに? 僕を襲う?」
 シアンはニヤリと笑う。
「そ、そんな事しないよ!」
「じゃあ、こっち来て……」
「歯磨きとかしないと……」
 レオが渋ると、ボン! と爆発音がしてレオの服がパジャマに変えられた。
「生活魔法で汚れは全部落としておいたから、もう寝ても大丈夫だよ」
 そう言ってシアンはニコッと笑った。
「あ、ありがとう……」
 レオは恐る恐るベッドに乗って横になる。
「はい、もうちょっとこっち」
 そう言いながらシアンはレオに毛布を掛けた。
 シアンの優しい温かい香りに包まれてレオは赤面する。
「今日はお疲れ様。明日からは忙しいよ!」
 そう言いながらシアンは部屋の明かりを消した。
 レオはドキドキしていたが、疲れもあって、すぐに眠りに落ちて行った……。

        ◇

 レオは夢を見ていた。
 優しい大好きなママと、ガッシリとしたひげを蓄えた男性……。だが、男性は顔のところが光っていて誰だかわからない。でも、温かい声でレオの事を呼んだ。