異世界にタワマンを! 奴隷少年の下剋上な国づくり ~宇宙最強娘と純真少年の奇想天外な挑戦~

 オディーヌが叫びながらレオに抱き着いた時、矢はオディーヌを貫いた……。

 ドスッ! と鈍い音を立てながら矢はオ背中から心臓を撃ち抜いたのだった。
「うわぁぁ!!」
 倒れる二人。そして、倒れたレオの上にオディーヌは覆いかぶさり、
 ゴフッ!
 と血を吐いた。
「オ、オディーヌ!?」
 叫ぶレオ。
 レオはオディーヌの身体を持ち上げ、オディーヌを貫く血だらけの矢を見つけ、
「いやぁぁ! オディーヌ!!」
 と、絶叫した。
 オディーヌは血だらけの震える手でレオの頬に触れると、涙でいっぱいの瞳で
「あなたと……、もっと……、いた……かった……」
 そう言ってガクッとこと切れた。
「オディーヌ! オディーヌ!」
 錯乱するレオ。
「ぐわぁぁぁ!」
 レオの絶叫が広場に響く。同時にレオの身体からはどす黒いオーラがブワッと湧き出した。オーラは城壁にすごい勢いで城門にぶち当たるとズン! という激しい衝撃音を放ちながら城門を破壊した。上にいた弓兵たちは崩落する城門から転げ落ち、逃げ出していく。
 するといきなり人影がどこからともなく現れて言った。
「我に見せるんじゃ!」
 レヴィアだった。
 レヴィアはオディーヌに手を当て、必死に治癒魔法をかけた。
 レオは涙をポタポタ落としながら、その様子をジッと見つめる。
 しかし、いつまで経ってもオディーヌの目は開かなかった。
「ぐぅ! ダメじゃ! 治癒妨害の毒を使っとる!」
 レヴィアはギュッと目を閉じて無念そうに言った。
 オディーヌは血まみれの服に包まれ、真っ白い顔でピクリとも動かない。
「えっ!? そんなぁ……、やだ……やだよぉ!!」
 レオはレヴィアの腕をつかんでゆらす。
「これ以上は我にも無理じゃ……」
 そう言って、レヴィアは首を振った。
「シアン……シアンならできるの?」
 レオが必死に聞く。
「もちろん、シアン様なら生き返らせられる……が……どうやってお願いするんじゃ?」
「田町へ行けばいいんでしょ? 僕、頼んでくるから転送して!」
「お主……気軽に言うけど、奇跡のお願いのために星を渡らせるなんて重罪じゃ。我は捕まって牢屋行きなんじゃぞ……」
 レヴィアは泣きそうな顔で言う。
「大丈夫、シアンが何とかしてくれるよ!」
「無事シアン様に会えて、納得してくれたら……な」
「他に道は無いんでしょ!?」