しばらくパパの特訓が続き、一通りイマジナリーの伝授が終わると、パパは優しい顔で言った。
「これでもう教えることはないよ」
「ありがとう!」
レオは満面の笑みで答えた。
「お前はパパの自慢の息子だ。ありがとう……」
パパはそう言ってレオをギュッと抱きしめた。
「ふふふ、パパ、大好き……」
レオはパパの胸の中で幸せそうにそう言った。
すると、パパの力が徐々に弱くなっていく。
「えっ!?」
驚いてパパを見ると、パパの身体はどんどん薄くなって透け始めていた。
「ど、どうしたの!? パパ!」
レオが叫ぶと、
「時間切れだ。ありがとう……。元気にやるんだぞ……」
パパはそう言って寂しそうにどんどん薄くなっていった。
「嫌だよぉ! パパ! いかないで! もっといろんな話聞かせてよぉ!」
泣き叫ぶレオ。
「さようなら……」
最後にかすかな声でそう言うと、パパは消えていった。
「うわぁぁぁ! パパ――――!」
レオの絶叫が静かな異空間に響き渡った。
「みんなひどいよぉ! なんでおいてくんだよぉ――――! わぁぁぁん!」
彼の心を温かくする存在はことごとく去っていく。それも、うまくやり、成功しているのに去っていく。それはまだ幼いレオには耐え難い心の痛みだった。
「ぐわぁぁぁ――――!」
レオの慟哭が異空間の中にいつまでも響いた。
4-8. 暴力の発露
やがて、宿屋がすぅっと消えていく……。
レオは地下室へと戻された。
いきなり泣きじゃくるレオを見て、オディーヌはそっとハグをする。
オディーヌの温かい胸に抱かれながら、しばらくレオはすすり泣いていた。
オディーヌは愛おしそうにゆっくりとレオの頭をなでる……。
落ち着くと零が優しく聞いた。
「大丈夫? 何かわかったかい?」
レオは静かにうなずいた。
そしてレオは何かを考えこみ……、ハッとして言った。
「大変だ! ニーザリにヴィクトーの軍が侵攻してる!」
「えっ!?」
青ざめるオディーヌ。
「僕、止めてくる!」
そう言うと、レオは指先で空間を切り裂き、ニーザリへとつなげた。
◇
ヴィクトーは千人の歩兵部隊を引き連れ、スラムの倉庫から一気に王宮へと侵攻していた。
しかし、道中の街は静まり返っていて、いつもの賑わいは無かった。
「これでもう教えることはないよ」
「ありがとう!」
レオは満面の笑みで答えた。
「お前はパパの自慢の息子だ。ありがとう……」
パパはそう言ってレオをギュッと抱きしめた。
「ふふふ、パパ、大好き……」
レオはパパの胸の中で幸せそうにそう言った。
すると、パパの力が徐々に弱くなっていく。
「えっ!?」
驚いてパパを見ると、パパの身体はどんどん薄くなって透け始めていた。
「ど、どうしたの!? パパ!」
レオが叫ぶと、
「時間切れだ。ありがとう……。元気にやるんだぞ……」
パパはそう言って寂しそうにどんどん薄くなっていった。
「嫌だよぉ! パパ! いかないで! もっといろんな話聞かせてよぉ!」
泣き叫ぶレオ。
「さようなら……」
最後にかすかな声でそう言うと、パパは消えていった。
「うわぁぁぁ! パパ――――!」
レオの絶叫が静かな異空間に響き渡った。
「みんなひどいよぉ! なんでおいてくんだよぉ――――! わぁぁぁん!」
彼の心を温かくする存在はことごとく去っていく。それも、うまくやり、成功しているのに去っていく。それはまだ幼いレオには耐え難い心の痛みだった。
「ぐわぁぁぁ――――!」
レオの慟哭が異空間の中にいつまでも響いた。
4-8. 暴力の発露
やがて、宿屋がすぅっと消えていく……。
レオは地下室へと戻された。
いきなり泣きじゃくるレオを見て、オディーヌはそっとハグをする。
オディーヌの温かい胸に抱かれながら、しばらくレオはすすり泣いていた。
オディーヌは愛おしそうにゆっくりとレオの頭をなでる……。
落ち着くと零が優しく聞いた。
「大丈夫? 何かわかったかい?」
レオは静かにうなずいた。
そしてレオは何かを考えこみ……、ハッとして言った。
「大変だ! ニーザリにヴィクトーの軍が侵攻してる!」
「えっ!?」
青ざめるオディーヌ。
「僕、止めてくる!」
そう言うと、レオは指先で空間を切り裂き、ニーザリへとつなげた。
◇
ヴィクトーは千人の歩兵部隊を引き連れ、スラムの倉庫から一気に王宮へと侵攻していた。
しかし、道中の街は静まり返っていて、いつもの賑わいは無かった。



