そっと言葉を紡ぐと、駿人さんがこんなところで言うことないだろ」なんて照れ隠しをした。

 こういうのは早い方がいいかな、と思ったのだ。

「あとでゆっくり、もう一度聞かせて」
「う……ん」

 でも、と彼が続ける。
 今度は駿人さんがわたしの耳に顔を寄せてくる。

「俺も沙綾のことが好きだ」

 彼の吐息がくすぐったくて、わたしは目を細めた。