俺はそう言うと、カヌーに魔力を込めた。
カヌーはするすると加速し、また、バタバタと風を巻き込む音を立てながら海上を滑走した。
「ありがとうございました――――!」
後ろで船員たちが手を振っている。
「ボンボヤージ!」
ドロシーも手を振って応える。まぁ、向こうからは見えないんだが。
「人助けすると気持ちいいね!」
俺はドロシーに笑いかける。
「助かってよかったわ。ユータって凄いのね!」
ドロシーも嬉しそうに笑う。
「いやいや、ドロシーが見つけてくれたからだよ、俺一人だったら素通りだったもん」
「そう? 良かった……」
ドロシーは少し照れて下を向いた。
「さて、そろそろ本格的に飛ぶからこの魔法の指輪つけて」
俺は懐のポケットから『水中でもおぼれない魔法の指輪』を出した。
「ゆ、指輪!?」
驚くドロシー。
「はい、受け取って!」
俺が差し出すとドロシーは
「ユータがつけて!」
そう言って両手を俺の前に出した。
「え? 俺が?」
「早くつけて!」
ドロシーは両手のひらを開き、嬉しそうに催促する。
俺は悩んでしまった。どの指につけていいかわからないのだ。
「え? どの指?」
「いいから早く!」
ドロシーは教えてくれない……。
中指にはちょっと入らないかもだから薬指?
でも、確か……左手の薬指は結婚指輪だからつけちゃマズいはず?
なら右手の薬指にでもつけておこう。
俺は白くて細いドロシーの薬指にそっと指輪を通した。
「え?」
ちょっと驚くドロシー。
「あれ? 何かマズかった?」
「うふふ……、ありがと……」
そう言って真っ赤になってうつむいた。
「このサイズなら、薬指にピッタリだと思ったんだ」
「……、もしかして……指の太さで選んだの?」
「そうだけど……マズかった?」
ドロシーは俺の背中をバシバシと叩き、
「知らない!」
そう言ってふくれた。
「あれ? 結婚指輪って左手の薬指だよね?」
俺が聞くと、ドロシーは俺の背中に顔をうずめ、
「ユータはね、ちょっと『常識』というものを学んだ方がいいわ……」
と、すねた。
「ゴメン、ゴメン、じゃぁ外すよ……」
そう言ったらまた背中をバシバシと叩き、
「ユータのバカ! もう、信じらんない!」
と言って怒った。女性と付き合った経験のない俺に乙女心は難しい……。
カヌーはするすると加速し、また、バタバタと風を巻き込む音を立てながら海上を滑走した。
「ありがとうございました――――!」
後ろで船員たちが手を振っている。
「ボンボヤージ!」
ドロシーも手を振って応える。まぁ、向こうからは見えないんだが。
「人助けすると気持ちいいね!」
俺はドロシーに笑いかける。
「助かってよかったわ。ユータって凄いのね!」
ドロシーも嬉しそうに笑う。
「いやいや、ドロシーが見つけてくれたからだよ、俺一人だったら素通りだったもん」
「そう? 良かった……」
ドロシーは少し照れて下を向いた。
「さて、そろそろ本格的に飛ぶからこの魔法の指輪つけて」
俺は懐のポケットから『水中でもおぼれない魔法の指輪』を出した。
「ゆ、指輪!?」
驚くドロシー。
「はい、受け取って!」
俺が差し出すとドロシーは
「ユータがつけて!」
そう言って両手を俺の前に出した。
「え? 俺が?」
「早くつけて!」
ドロシーは両手のひらを開き、嬉しそうに催促する。
俺は悩んでしまった。どの指につけていいかわからないのだ。
「え? どの指?」
「いいから早く!」
ドロシーは教えてくれない……。
中指にはちょっと入らないかもだから薬指?
でも、確か……左手の薬指は結婚指輪だからつけちゃマズいはず?
なら右手の薬指にでもつけておこう。
俺は白くて細いドロシーの薬指にそっと指輪を通した。
「え?」
ちょっと驚くドロシー。
「あれ? 何かマズかった?」
「うふふ……、ありがと……」
そう言って真っ赤になってうつむいた。
「このサイズなら、薬指にピッタリだと思ったんだ」
「……、もしかして……指の太さで選んだの?」
「そうだけど……マズかった?」
ドロシーは俺の背中をバシバシと叩き、
「知らない!」
そう言ってふくれた。
「あれ? 結婚指輪って左手の薬指だよね?」
俺が聞くと、ドロシーは俺の背中に顔をうずめ、
「ユータはね、ちょっと『常識』というものを学んだ方がいいわ……」
と、すねた。
「ゴメン、ゴメン、じゃぁ外すよ……」
そう言ったらまた背中をバシバシと叩き、
「ユータのバカ! もう、信じらんない!」
と言って怒った。女性と付き合った経験のない俺に乙女心は難しい……。



