広大な森と川と海が見えてくる。さらに高度を上げていく……。
どんどん小さくなっていく風景。
青かった空も徐々に暗くなり、ついには空が真っ暗になる。
ゴー! とうるさかった風切り音も徐々に小さくなり、高度が50kmくらいに達した頃、ついには無音になった。
「いよいよだぞ……、何が出るかなぁ……」
俺はワクワクしながら小窓から地上を見ていた。青くかすむ大気の層の下には複雑な海岸線が伸びている。
「綺麗だな……」
と、この時、海岸線の形に見覚えがあるような気がした。
ニョキニョキっと伸びる特徴的な二つの半島……。
「あれ? あれは知多半島と渥美半島……じゃないのか?」
どっちが知多半島で、どっちが渥美半島だか忘れてしまったが、これは伊勢湾……?
となると、向こうが伊勢志摩……。いやいや、そんな馬鹿な!
しかし、よく見れば浜名湖もあるし琵琶湖もある。日本人なら誰だって間違いようがない形……。
俺は血の気が引いた。
俺たちが住んでいたのは、なんと日本列島だったのだ。
2-11. 女の子を狙う悪魔
さらに高度を上げていくと全貌が見えてきた。それはまごうことなき日本列島だった。
俺は呆然とした。確かに以前、移動中に富士山みたいな山があって、おかしいなと思っていたのだ。でも「火山だったら同じ形になることもあるよね」と勝手に思い込んで無視していたのだが、やっぱりあれは富士山だったのだ。
さらに高度を上げる……。すると、見えてきたのは四国、九州、そして朝鮮半島。さらに沖縄から台湾……。北には北海道から樺太があった。そう、俺が住んでいた世界は地球だったのだ。
俺は唖然として、ドサッと布団に倒れ込んだ。
気候も季節も生えている植物も日本に似すぎてるなとは思っていたのだ。しかしそれは当たり前だったのだ、同じ日本だったのだから……。
俺は頭を抱えてしまった。異世界だと思っていたら日本だった。これはどういうことだろうか? 人種も文化も文明も全く日本人とは違う人たちが日本列島に住み、魔法を使い、ダンジョンで魔物を狩っている。
この世界が仮想現実空間だとするならば、誰かが地球をコピーしてきて全く違う人種に全く違う文化・文明を発達させたということだろうが、一体何のために?
どんどん小さくなっていく風景。
青かった空も徐々に暗くなり、ついには空が真っ暗になる。
ゴー! とうるさかった風切り音も徐々に小さくなり、高度が50kmくらいに達した頃、ついには無音になった。
「いよいよだぞ……、何が出るかなぁ……」
俺はワクワクしながら小窓から地上を見ていた。青くかすむ大気の層の下には複雑な海岸線が伸びている。
「綺麗だな……」
と、この時、海岸線の形に見覚えがあるような気がした。
ニョキニョキっと伸びる特徴的な二つの半島……。
「あれ? あれは知多半島と渥美半島……じゃないのか?」
どっちが知多半島で、どっちが渥美半島だか忘れてしまったが、これは伊勢湾……?
となると、向こうが伊勢志摩……。いやいや、そんな馬鹿な!
しかし、よく見れば浜名湖もあるし琵琶湖もある。日本人なら誰だって間違いようがない形……。
俺は血の気が引いた。
俺たちが住んでいたのは、なんと日本列島だったのだ。
2-11. 女の子を狙う悪魔
さらに高度を上げていくと全貌が見えてきた。それはまごうことなき日本列島だった。
俺は呆然とした。確かに以前、移動中に富士山みたいな山があって、おかしいなと思っていたのだ。でも「火山だったら同じ形になることもあるよね」と勝手に思い込んで無視していたのだが、やっぱりあれは富士山だったのだ。
さらに高度を上げる……。すると、見えてきたのは四国、九州、そして朝鮮半島。さらに沖縄から台湾……。北には北海道から樺太があった。そう、俺が住んでいた世界は地球だったのだ。
俺は唖然として、ドサッと布団に倒れ込んだ。
気候も季節も生えている植物も日本に似すぎてるなとは思っていたのだ。しかしそれは当たり前だったのだ、同じ日本だったのだから……。
俺は頭を抱えてしまった。異世界だと思っていたら日本だった。これはどういうことだろうか? 人種も文化も文明も全く日本人とは違う人たちが日本列島に住み、魔法を使い、ダンジョンで魔物を狩っている。
この世界が仮想現実空間だとするならば、誰かが地球をコピーしてきて全く違う人種に全く違う文化・文明を発達させたということだろうが、一体何のために?



