「ありがとうございます!」
「じゃ、ちょっと事務所に来な。書類作るから」
「ハイ!」
俺はこうやって巨大な金属のカプセルを手に入れた。
そう、俺は宇宙へ行くのだ。
◇
続いて俺はメガネ屋へ行った。この世界でも近眼や老眼の人はいて、メガネは重宝されている。ただ、値段はメチャクチャ高いので、一般人がそう簡単に気軽に買えるものではないようだ。俺はここで拡大鏡を探そうと思う。
この世界がどういう風に構成されているかは、細かく観察するとわかることがあるに違いない。地球では顕微鏡があり、電子顕微鏡があり、ありとあらゆる物を、それこそ原子のレベルまで微細に観察できる。さらに言うならヨーロッパには直径十キロの巨大な加速器があって、素粒子同士を光速に近い速度でぶつけ、出てくる粒子の動きを観察して素粒子レベルの観察までやってしまっている。
しかし、この世界ではそんなのは無理なので、拡大鏡で見える範囲から観測してみたいと思う。ここがMMORPGの世界であるならば、拡大鏡でも破綻が見えるだろう。そしたら、また何かバグを探して上手く使ってやるのだ。
表通りから小路に入り、しばらく行くとメガネの形の小さな看板を見つけた。
ショーウィンドーにはいろいろなメガネが並べてある。
「こんにちは~」
俺は小さなガラス窓のついたオシャレな木のドアを開ける。
「いらっしゃいませ……。おや、可愛いお客さんね、どうしたの? 目が悪いの?」
30歳前後だろうか、やや面長で笑顔が素敵なメガネ美人が声をかけてくる。
「拡大鏡が欲しいのですが、取り扱っていますか?」
「えっ!? 拡大鏡? そりゃ、あるけど……高いわよ? 金貨十枚とかよ」
「大丈夫です!」
俺はニコッと笑って答えた。
「あらそう? じゃ、ちょっと待ってて!」
彼女は店の奥へ入ると木製の箱を持ってきた。
「倍率はどの位がいいのかしら?」
「一番大きいのをください!」
彼女はちょっと怪訝そうな顔をして、言った。
「倍率が高いってことは見える範囲も狭いし、暗いし、ピントも合いにくくなるのよ? ちゃんと用途に合わせて選ばないと……」
「じゃ、ちょっと事務所に来な。書類作るから」
「ハイ!」
俺はこうやって巨大な金属のカプセルを手に入れた。
そう、俺は宇宙へ行くのだ。
◇
続いて俺はメガネ屋へ行った。この世界でも近眼や老眼の人はいて、メガネは重宝されている。ただ、値段はメチャクチャ高いので、一般人がそう簡単に気軽に買えるものではないようだ。俺はここで拡大鏡を探そうと思う。
この世界がどういう風に構成されているかは、細かく観察するとわかることがあるに違いない。地球では顕微鏡があり、電子顕微鏡があり、ありとあらゆる物を、それこそ原子のレベルまで微細に観察できる。さらに言うならヨーロッパには直径十キロの巨大な加速器があって、素粒子同士を光速に近い速度でぶつけ、出てくる粒子の動きを観察して素粒子レベルの観察までやってしまっている。
しかし、この世界ではそんなのは無理なので、拡大鏡で見える範囲から観測してみたいと思う。ここがMMORPGの世界であるならば、拡大鏡でも破綻が見えるだろう。そしたら、また何かバグを探して上手く使ってやるのだ。
表通りから小路に入り、しばらく行くとメガネの形の小さな看板を見つけた。
ショーウィンドーにはいろいろなメガネが並べてある。
「こんにちは~」
俺は小さなガラス窓のついたオシャレな木のドアを開ける。
「いらっしゃいませ……。おや、可愛いお客さんね、どうしたの? 目が悪いの?」
30歳前後だろうか、やや面長で笑顔が素敵なメガネ美人が声をかけてくる。
「拡大鏡が欲しいのですが、取り扱っていますか?」
「えっ!? 拡大鏡? そりゃ、あるけど……高いわよ? 金貨十枚とかよ」
「大丈夫です!」
俺はニコッと笑って答えた。
「あらそう? じゃ、ちょっと待ってて!」
彼女は店の奥へ入ると木製の箱を持ってきた。
「倍率はどの位がいいのかしら?」
「一番大きいのをください!」
彼女はちょっと怪訝そうな顔をして、言った。
「倍率が高いってことは見える範囲も狭いし、暗いし、ピントも合いにくくなるのよ? ちゃんと用途に合わせて選ばないと……」



