武器の扱いが増えるにつれ、店舗でゆっくりと見たいという声が増え、俺は先日から工房を改装して店としてオープンしていた。店と言っても週に2回、半日開く程度なんだけれども。
店では研ぎ終わった武器を陳列し、興味のあるものを裏の空き地で試し斬りしてもらっている。
店の名前は「武器の店『星多き空』」。要はレア度の★が多いですよって意味なのだが、お客さんには分からないので、変な名前だと不思議がられている。
店の運営は引き続きドロシーにも手伝ってもらっていて、お店の清掃、経理、雑務など全部やってもらっている。本当に頭が上がらない。
「ユータ! ここにこういう布を張ったらどうかなぁ? 剣が映えるよ!」
ドロシーはどこからか持ってきた紫の布を、武器の陳列棚の後ろに当てて微笑んだ。
「おー、いいんじゃないか? さすがドロシー!」
「うふふっ」
ドロシーはちょっと照れながら布を貼り始める。
ガン!
いきなり乱暴にドアが開いた。
三人の男たちがドカドカと入ってくる。
「いらっしゃいませ」
俺はそう言いながら鑑定をする。
ジェラルド=シャネル 王国貴族 『人族最強』
勇者 レベル:218
嫌な奴が来てしまった。俺はトラブルの予感に気が重くなる。
勇者は手の込んだ金の刺繍を入れた長めの白スーツに身を包み、ジャラジャラと宝飾類を身に着けて金髪にピアス……。風貌からしてあまりお近づきになりたくない。
勇者は勇者として生まれ、国を守る最高の軍事力として大切に育てられ、貴族と同等の特権を付与されている。その強さはまさに『人族最強』であり、誰もかなわない、俺を除けば。
「なんだ、ショボい武器ばっかだなぁ! おい!」
入ってくるなりバカにしてくる勇者。
「とんだ期待外れでしたな!」
従者も追随する。
「それは残念でしたね、お帰りはあちらです!」
ドロシーがムッとして出口を指さす。
俺は冷や汗が湧いた。接客業はそれじゃダメなんだドロシー……。
勇者はドロシーの方を向き、ジッと見つめる。
そして、すっとドロシーに近づくと、
「ほぅ……掃き溜めに……ツル……。今夜、俺の部屋に来い。いい声で鳴かせてやるぞ」
そう言ってドロシーのあごを持ち上げ、いやらしい顔でニヤけた。
「やめてください!」
ドロシーは勇者の手をピシッと払ってしまう。
店では研ぎ終わった武器を陳列し、興味のあるものを裏の空き地で試し斬りしてもらっている。
店の名前は「武器の店『星多き空』」。要はレア度の★が多いですよって意味なのだが、お客さんには分からないので、変な名前だと不思議がられている。
店の運営は引き続きドロシーにも手伝ってもらっていて、お店の清掃、経理、雑務など全部やってもらっている。本当に頭が上がらない。
「ユータ! ここにこういう布を張ったらどうかなぁ? 剣が映えるよ!」
ドロシーはどこからか持ってきた紫の布を、武器の陳列棚の後ろに当てて微笑んだ。
「おー、いいんじゃないか? さすがドロシー!」
「うふふっ」
ドロシーはちょっと照れながら布を貼り始める。
ガン!
いきなり乱暴にドアが開いた。
三人の男たちがドカドカと入ってくる。
「いらっしゃいませ」
俺はそう言いながら鑑定をする。
ジェラルド=シャネル 王国貴族 『人族最強』
勇者 レベル:218
嫌な奴が来てしまった。俺はトラブルの予感に気が重くなる。
勇者は手の込んだ金の刺繍を入れた長めの白スーツに身を包み、ジャラジャラと宝飾類を身に着けて金髪にピアス……。風貌からしてあまりお近づきになりたくない。
勇者は勇者として生まれ、国を守る最高の軍事力として大切に育てられ、貴族と同等の特権を付与されている。その強さはまさに『人族最強』であり、誰もかなわない、俺を除けば。
「なんだ、ショボい武器ばっかだなぁ! おい!」
入ってくるなりバカにしてくる勇者。
「とんだ期待外れでしたな!」
従者も追随する。
「それは残念でしたね、お帰りはあちらです!」
ドロシーがムッとして出口を指さす。
俺は冷や汗が湧いた。接客業はそれじゃダメなんだドロシー……。
勇者はドロシーの方を向き、ジッと見つめる。
そして、すっとドロシーに近づくと、
「ほぅ……掃き溜めに……ツル……。今夜、俺の部屋に来い。いい声で鳴かせてやるぞ」
そう言ってドロシーのあごを持ち上げ、いやらしい顔でニヤけた。
「やめてください!」
ドロシーは勇者の手をピシッと払ってしまう。



