エレミーは俺の肩に優しく手をかけ、フォローしてくれる。ふんわりと柔らかな香りが漂ってくる。胸元が開いた大胆な衣装からは、たわわな胸が谷間を作っており、ちょっと目のやり場に困る。
ジャックはエレミーのフォローにさらに気分を害したようで、
「勝手な行動はすんなよ!」
そう言いながら、先頭をスタスタと歩き出してしまう。
どうやら俺がエレミーと仲良くなることを気に喰わないみたいだ。困ったものだ。
一同は渋い顔をしながら早足のジャックについていく。すると、
カチッ
と、床が鳴った。
何だろうと思ったら、床がパカッと開いてしまう。ワナだ。
「うわぁぁぁ」「キャ――――!!」「ひえぇぇ!」
叫びながら一斉に落ちて行く我々。
エレミーがすかさず魔法を唱え、みんなの落ちる速度はゆっくりとなったが、床は閉じてしまった。もう戻れない。
「何やってんのよあんた!」
ゆるゆると落ちながら、ジャックに怒るエレミー。
「いや、だって、あんなワナ、昨日までなかったんだぜ……」
しょんぼりとするジャック。
「これ、どこまで落ちるかわからないわよ!」
いつまでも出口につかない縦穴に、みんな恐怖の色を浮かべている。
「まぁ、終わったことはしょうがない、なんとか生還できるよう力を合わせよう」
リーダーのエドガーはしっかりと強く言った。さすがリーダーである。危機の時こそ団結力が重要なのだ。
しばらく落ち続け、ようやく俺たちは床に降り立った……。すると、床についた瞬間パァッと明るい景色が広がった。
いきなりのまぶしい景色に目がチカチカする。
なんと、そこは草原だった。ダンジョンにはこういう自然な世界もあるとは聞いていたが、森があり、青空が広がり、太陽が照り付け、とても地下とは思えない風景だった。
「おい、こんなところ聞いたこともないぞ! 一体ここは何階だ!?」
ビビるジャック。
「少なくとも地下40階までには、このような階層は報告されていません」
僧侶のドロテは丸い眼鏡を触りながら、やや投げやり気味に淡々と言った。
一同、無言になってしまった。
地下40階より深い所だったとしたらもう生きて帰るのは不可能、それが冒険者の間の一般的な考え方だった。
パーティーはいままさに全滅の危機に瀕していた。
1-16. サイクロプスの脅威
ジャックはエレミーのフォローにさらに気分を害したようで、
「勝手な行動はすんなよ!」
そう言いながら、先頭をスタスタと歩き出してしまう。
どうやら俺がエレミーと仲良くなることを気に喰わないみたいだ。困ったものだ。
一同は渋い顔をしながら早足のジャックについていく。すると、
カチッ
と、床が鳴った。
何だろうと思ったら、床がパカッと開いてしまう。ワナだ。
「うわぁぁぁ」「キャ――――!!」「ひえぇぇ!」
叫びながら一斉に落ちて行く我々。
エレミーがすかさず魔法を唱え、みんなの落ちる速度はゆっくりとなったが、床は閉じてしまった。もう戻れない。
「何やってんのよあんた!」
ゆるゆると落ちながら、ジャックに怒るエレミー。
「いや、だって、あんなワナ、昨日までなかったんだぜ……」
しょんぼりとするジャック。
「これ、どこまで落ちるかわからないわよ!」
いつまでも出口につかない縦穴に、みんな恐怖の色を浮かべている。
「まぁ、終わったことはしょうがない、なんとか生還できるよう力を合わせよう」
リーダーのエドガーはしっかりと強く言った。さすがリーダーである。危機の時こそ団結力が重要なのだ。
しばらく落ち続け、ようやく俺たちは床に降り立った……。すると、床についた瞬間パァッと明るい景色が広がった。
いきなりのまぶしい景色に目がチカチカする。
なんと、そこは草原だった。ダンジョンにはこういう自然な世界もあるとは聞いていたが、森があり、青空が広がり、太陽が照り付け、とても地下とは思えない風景だった。
「おい、こんなところ聞いたこともないぞ! 一体ここは何階だ!?」
ビビるジャック。
「少なくとも地下40階までには、このような階層は報告されていません」
僧侶のドロテは丸い眼鏡を触りながら、やや投げやり気味に淡々と言った。
一同、無言になってしまった。
地下40階より深い所だったとしたらもう生きて帰るのは不可能、それが冒険者の間の一般的な考え方だった。
パーティーはいままさに全滅の危機に瀕していた。
1-16. サイクロプスの脅威