「お待ちください旦那様! わたくしめはどうしたら?」
哀願するように目を潤ませるアバドン。
「ん? しばらく用はないので好きに暮らせ。用が出来たら呼ぶ。ただし、悪さはするなよ」
俺はアバドンを指さし、しっかりと目を見据えて言った。
「ほ、放置プレイですか……さすが旦那様……」
アバドンは何やら感激している。変な奴だ。
こうして俺は魔人の奴隷を持つことになった。使い道は特に思い浮かばないが、暇な時に呼び出して遊び相手にでもなってもらおう。全力で殴っても死なない相手なんてこの世界にそうはいないだろうし。
結局その日は新たな街での商談もうまくいき、さらに商売は大きく伸びそうである。
★5の武器も手に入ったし、俺の人生、順風満帆だ。
1-15. 初ダンジョンの洗礼
届け物があって久しぶりに冒険者ギルドを訪れた。
ギギギー
相変わらず古びたドアがきしむ。
にぎやかな冒険者たちの歓談が聞こえてくる。防具の皮の臭いや汗のすえた臭いがムワッと漂っている。これが冒険者ギルドなのだ。
受付嬢に届け物を渡して帰ろうとすると、
「ヘイ! ユータ!」
アルが休憩所から声をかけてくる。
アルは最近冒険者を始めたのだ。レベルはもう30、駆け出しとしては頑張っている。
「おや、アル、どうしたんだ?」
「今ちょうどダンジョンから帰ってきたところなんだ! お前の武器でバッタバッタとコボルトをなぎ倒したんだ! ユータにも見せたかったぜ!」
アルが興奮しながら自慢気に話す。
なるほど、俺は今まで武器をたくさん売ってきたが、その武器がどう使われているのかは一度も見たことがなかった。武器屋としてそれはどうなんだろう?
「へぇ、それは凄いなぁ。俺も一度お前の活躍見てみたいねぇ」
何気なく俺はそう言った。
「良かったら明日、一緒に行くか?」
隣に座っていたエドガーが声をかけてくれる。
アルは今、エドガーのパーティに入れてもらっているのだ。
「え? いいんですか?」
「うちにも荷物持ちがいてくれたら楽だなと思ってたんだ。荷物持ちやってくれるならいっしょに行こう」
「それなら、ぜひぜひ!」
話はとんとん拍子に決まり、憧れのダンジョンデビューとなった。
◇
哀願するように目を潤ませるアバドン。
「ん? しばらく用はないので好きに暮らせ。用が出来たら呼ぶ。ただし、悪さはするなよ」
俺はアバドンを指さし、しっかりと目を見据えて言った。
「ほ、放置プレイですか……さすが旦那様……」
アバドンは何やら感激している。変な奴だ。
こうして俺は魔人の奴隷を持つことになった。使い道は特に思い浮かばないが、暇な時に呼び出して遊び相手にでもなってもらおう。全力で殴っても死なない相手なんてこの世界にそうはいないだろうし。
結局その日は新たな街での商談もうまくいき、さらに商売は大きく伸びそうである。
★5の武器も手に入ったし、俺の人生、順風満帆だ。
1-15. 初ダンジョンの洗礼
届け物があって久しぶりに冒険者ギルドを訪れた。
ギギギー
相変わらず古びたドアがきしむ。
にぎやかな冒険者たちの歓談が聞こえてくる。防具の皮の臭いや汗のすえた臭いがムワッと漂っている。これが冒険者ギルドなのだ。
受付嬢に届け物を渡して帰ろうとすると、
「ヘイ! ユータ!」
アルが休憩所から声をかけてくる。
アルは最近冒険者を始めたのだ。レベルはもう30、駆け出しとしては頑張っている。
「おや、アル、どうしたんだ?」
「今ちょうどダンジョンから帰ってきたところなんだ! お前の武器でバッタバッタとコボルトをなぎ倒したんだ! ユータにも見せたかったぜ!」
アルが興奮しながら自慢気に話す。
なるほど、俺は今まで武器をたくさん売ってきたが、その武器がどう使われているのかは一度も見たことがなかった。武器屋としてそれはどうなんだろう?
「へぇ、それは凄いなぁ。俺も一度お前の活躍見てみたいねぇ」
何気なく俺はそう言った。
「良かったら明日、一緒に行くか?」
隣に座っていたエドガーが声をかけてくれる。
アルは今、エドガーのパーティに入れてもらっているのだ。
「え? いいんですか?」
「うちにも荷物持ちがいてくれたら楽だなと思ってたんだ。荷物持ちやってくれるならいっしょに行こう」
「それなら、ぜひぜひ!」
話はとんとん拍子に決まり、憧れのダンジョンデビューとなった。
◇