自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 若い女性の格好に戻ったシアンが、うれしそうに紹介する。

「挨拶がまだだったね、私はこの会社の会長、神崎誠(かんざきまこと)です」
 男性はそう言ってニッコリと笑った。
「あ、会長さん? これは失礼しました。瀬崎です。よろしくお願いします。それで……、シアンさんを作ったのは会長さんなんですか?」
「そうだよ。美奈ちゃんたちと一緒に作ったんだ。いやもう、コイツが悪ガキで本当に大変だったんだ……」
 誠は肩をすくめる。
「きゃははは!」
 うれしそうに笑うシアン。

「それで、研修はどうだった?」
 誠が聞いてくる。
「何とかシアンさんに合格だと言ってもらえました」
「おぉ! それはすごいね!」
「この人、筋いいと思うよ」
 と、シアンはニコニコしながら言った。
「え? そうですか? 嬉しいです」
 俺は照れて笑った。

「シアンはこう見えて宇宙最強だからな。それに認めてもらえるなんて、将来有望だぞ」
「ありがとうございます」
「有望な新人が来てくれてよかったよ。最近色々大変でね……。すぐに活躍が見られそうだな」
 誠は俺の肩をポンポンと叩いた。

「パパ……。そういうこと言っちゃダメだよ……」
 シアンが眉をひそめながら言う。
「あっ! マズい……。また美奈ちゃんに叱られる……」
 なぜか誠はうなだれ、シアンは肩をすくめた。
 俺はドロシーと顔を見合わせ、首をかしげる。

「あー、瀬崎君、君の星にはいつ帰るかね?」
 誠は気を取り直して聞いてくる。
「今日は行きたいところがあるので、明日でもいいですか?」
「了解。では、また明日……」
 そう言って、誠はそそくさと立ち去って行った。

「なぜ、マズかったんですか?」
 俺はシアンに聞く。
「パパはね、この宇宙の創導師(グランドリーダー)、宇宙の在り方を定める人なんだ。だから、『すぐに活躍が見られそう』と、言うと、豊はすぐに活躍しちゃうんだ」

 俺は彼女が何を言ってるのかわからなかった。
「まぁ、すぐにわかるよ。きゃははは!」
 シアンはうれしそうに笑った。










6-16. 親孝行

「これからどうするの?」
 ドロシーが聞いてくる。
「実は、両親に会ってこようかと思って……」
「え? それなら私も行くわ」
「ありがとう。でも、うーん、俺は死んだことになってるから、受け入れてくれるかどうか……」