自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 ヴィーナは目をつぶり、しばらく何かを考え、言った。
「まぁいいわ。すぐに答えが出るような簡単な話じゃないし、少しやってみなさい。ダメだったらその時は……、この星消すわよ。覚悟はいい?」
 消すという言葉に一瞬ひるんだが、何度も死線をくぐり抜けてきた俺にはそれなりの自信が芽生えていた。
「大丈夫です。ヴィーナ様がビックリするような成果、上げて見せます!」
「分かったわ。では、研修するから田町のオフィスに来なさい」
「え? これからですか?」
「明日からでいいわ。今晩は東京のホテルで休みなさい」
 そう言って、女神のほほえみを浮かべた。








6-11. この神聖なサイクル

 東京のホテル!?
 それは想像もしなかったプレゼントだった。懐かしい日本に戻れる喜びで俺はちょっとウルウルしてしまった。
 日本の快適なホテルで休めるなんて……。さっきチラッと見た東京タワーも、もう一度ゆっくりと見たい……。

 ただ、一人で行ってもつまらない、俺はおずおずと聞いてみた。
「あのぅ……。妻も……、一緒でいいですか?」
「もちろんいいわ。でも……娘さんも……よね?」
 そう言ってドロシーの方を見てニヤッと笑った。

「え? 娘?」
「ここにもう居るわよ」
 そう言ってドロシーの下腹部を指さした。
「えっ!?」「へ?」
 俺はドロシーと見つめ合った。
「昨晩……。ずいぶんお楽しみ……だったみたいね」
 ニヤリと笑うヴィーナ。
 俺たちは真っ赤になってうつむいた。

「初夜なんだもの、当然よね。初夜ベビー、いいじゃないの。結構楽しみな女の子よ」
 俺はまだ父親となる心の準備が出来ておらず、面食らっていたが、レヴィアとアバドンに、
「やりおったな、お主! おめでとう!」「おめでとうございますー!」
 と、祝福され、これが生命の摂理(せつり)だということに気が付いた。
 仮想現実世界だろうが何だろうが、出会い、愛し合えばまた新たな生命の可能性が花開くのだ。そうやってこの世界は回っている。この神聖なサイクルに加われたことをしみじみと嬉しく思い。俺はドロシーを見つめた。
 ドロシーは赤くなりながらも、うれしそうにほほえんで俺を見ている。そして、お互いうなずき合った。

「……。頑張って立派な子に育てます」
 俺は力強くヴィーナに宣言した。