自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「は? なんだ? 命乞いか?」
 いやらしい笑みを浮かべるシアン。

「シアンは確かに宇宙最強。誰もかなわない」
「そう、最高だ!」
「だが、With great power comes great responsibility. 『大いなる力には大きな責任が伴う』だよ。その身体を操れるのはシアンだけだ」

 ヌチ・ギは笑う。
「はっはっは! 何を言い出すかと思えば……。こうやって自在に操っているじゃないか! 苦し紛れもいい加減にしろ!」
「ふふっ、その身体にはね、全宇宙の百万個の星の管理プロセスが走っている……。シアンは常に百万個の星を管理してるんだよ」
「はぁ?」
「お前はさっきからそれを処理してないだろ。そろそろエラーがあふれ出すよ。お前に処理できるのかい?」
「え?」
 シアンの表情が硬くなる。
「ほら、来るよ……」
 ヴィーナがニヤッと笑う。
「ぐっ!」
 シアンがひざをついて苦しい表情を浮かべる。
「ぐ、ぐぉぉぉ!」
 シアンは倒れもがき苦しみ始めた。

「な、なんだ、これはぁぁぁ!」
 シアンはものすごい表情でヴィーナをにらみ、ヴィーナはドヤ顔で見下ろした。

「くっ!」
 シアンはそう言うと、ビキニアーマーの女の子に飛びかかり、押し倒した。

 何が起こったのかと思ったら、女の子が動き出し、ハァハァと荒い息で言った。
「下手うった……。百万個の星の管理なんて聞いてないぞ!」
 どうやらヌチ・ギはビキニアーマーの女の子の中に逃げ出したようだ。

 すると、シアンは立ち上がり、
「いやー、失敗しちゃった! きゃははは!」
 と、楽しそうに笑った。
「シアン、そいつとっちめて!」
 と、ヴィーナが言うと、ビキニアーマーの女の子は焦って逃げだす。

 シアンは、必死に逃げようとする女の子の目の前にワープをすると、
「どこへ行こうというのかね? きゃははは!」
 と、笑いながら女の子を捕まえ、頭から白いもやのようなものを抜き取った。

「悪い子はこちらデース」
 そう言って、うごめく綿あめのようなものを楽しそうに手のひらでこねる。
「後で悪事を洗いざらい吐かせるから保管しといて。それからレヴィアの蘇生(そせい)もよろしく」
「はいよ!」
 シアンはそう言って、綿あめをポケットに詰めると、指先で空間をツーっと裂いた。