自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 そして、ホール内のたくさんの女の子たちをぐるっと見回してつぶやいた。
「さて……、どうしようかね……」

 胃の痛くなる沈黙が流れる。

「まずはこの子たちを何とかしてからね」
 ヴィーナはそう言うと、ターン! とパンプスでフロアを叩いた。
 フロアに金色に輝く波紋が広がり、壁面を駆け上がっていく。
 巨大なホールに次々と広がる美しい金の波紋……、一体何が起こるのだろうか? 俺は見たこともない不思議なイリュージョンに思わず息をのんだ。

 やがて波紋は天井で集まっていく……。
 直後、金色にキラキラと輝く粒子が宙を舞いはじめ、ホールは金色の輝きに埋め尽くされていった。

「うわぁ! すごぉい!」
 ドロシーが感嘆の声を上げる。

 ヴィーナは扇子(せんす)を取り出すと、バッと開いて(あお)いだ。真紅の豪奢な扇子が起こす風は、まるでつむじ風のようにホールいっぱいに金色の粒子の吹雪を起こした。
「うわぁ!」「キャ――――!」
 俺たちは思わずかがんでしまう。
「きゃははは!」
 シアンだけはうれしそうに笑っている。








6-7. 空飛ぶ伝説の宮殿

 しばらくして吹雪が収まり、ヴィーナが言った。
「ふふっ、もういいわよ!」
 目を開けると、巨人は居なくなり、宙を舞っていた女性たちも皆フロアに降りて自由に動いていた。それぞれ、長きにわたる異常な拘束からの解放に感激している。
「うわぁぁぁん!」「やったわぁ!」
 長き囚われの時を経て、今、彼女たちは自分の人生を取り戻したのだった。喜び、抱き合う彼女たちの歓喜の声は胸に響く。
 あの、赤いリボンだけのブラジャーをしていた子も喜んで抱き合っている。俺は思わず涙ぐんでしまった。

「良かった……」

        ◇

 ドロシーはビキニアーマーで褐色の肌の女の子を見つけると駆け寄った。
「あのぅ……」
 褐色の彼女は不思議そうにドロシーを見つめ、言った。
「どなた……ですか?」
「覚えてないと思うのですが、実は私、あなたに助けられたんです。私だけでなく、あなたの勇気でみんなが救われました」
 そう言いながら、ドロシーは涙をポロリとこぼした。
「え? 何のこと? ヌチ・ギの野郎はいつかぶっ飛ばしてやると思ってたけど、ずっと動けなかったのよ?」
「その想いに……、助けられました……、うっうっうっ……」