自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 想像を絶するシアンの能力に、俺は戦慄を覚えた。こんな事が出来てしまうなら何でもアリではないのだろうか? 必死に戦っていた俺たちの苦労は何だったんだろう……?

「シアンさんは時間を操れるんですか?」
 俺は恐る恐る聞いてみる。

「操るというか……、単にバックアップを復元しただけだよ」
 さらっとすごい事を言い出すシアン。
「バックアップ!?」
 俺が驚いていると。
「この星のデータは定期的にバックアップされてるのだ。僕はそれを復元(リストア)しただけ」
 そう言ってニッコリと笑う。
 しかし、バックアップといっても、あのジグラートの巨大なコンピューター群のすべてのデータのバックアップなんてどうやって取るのだろうか? 気の遠くなるような記憶容量、データ転送が必要なのではないだろうか? とても信じられないが……、目の前で実現されてしまうと認めざるを得ない。
 『宇宙最強』という言葉の意味が少し分かった気がした。









6-6. フレッシュなクローン

「ちなみにどこにバックアップは取ってあるんですか?」
「金星だよ」
「き、金星!?」
 なぜ、海王星のサーバーのバックアップが金星にあるのだろうか?
 困惑してるとレヴィアが横から説明してくれる。
「海王星は金星のサーバーで作られておるんじゃよ」
「金星のサーバー……?」
 俺は一瞬何を言ってるか分からなかった。なぜ海王星が金星で作られてるのか……?

「えっ、もしかして……」
 ようやく気が付いた。地球が海王星で作られているのと同じように、海王星もまた金星で作られていたのだ。
「海王星も仮想現実空間だったのか……」
 俺は今まで海王星こそがリアルな世界で、そこで地球がたくさん作られているのだと思い込んできたが、海王星もまた作られた世界だったのだ。そう言えば、レヴィアが『ヴィーナ様は金星人』と言っていたのを思い出した。そうだったのか……。

「えっ、それじゃ金星がリアルな世界ですか?」
 俺はシアンに聞いた。
 シアンはニッコリとしながら首を振って言った。
「まだまだ上があるよ! 水星、土星、天王星、木星……」
 俺は気が遠くなった。何なんだこの宇宙は……。
「海王星が生まれたのが六十万年前、金星が生まれたのが百万年前……。星が生まれて五十万年位経つと新たな星を生み出しちゃうんだよねっ」