「この古銭はね、硬すぎず柔らかすぎずなので、こういう金属の汚れを地金を傷つけずにとる時に使うのよ。生活の知恵ね」
伏し目がちにそう答えるドロシー。
「さすがドロシー!」
「お姉さんですから」
そう言ってドロシーは優しく微笑んだ。
これで俺の計画は完ぺきになった。使う人も俺も嬉しい魔法のチート武器がこの瞬間完成したのだ。こんなの俺一人だったら絶対気付かなかった。ドロシーのお手柄である。ドロシーは俺の幸運の女神となった。
◇
結局、研ぎ終わる頃には陽が傾いてきてしまった。ドロシーはしっかり清掃をやり遂げてくれて、孤児院の仕事へと戻っていった。
最後に俺の血液を仕込んだ氷結石と、ドロシーからもらった古銭のかけらを柄に仕込んでできあがり。ちょっと研ぎあとが歪だが、攻撃力は問題なさそうなのでこれを持っていく。
また、この時、ステータスに『氷耐性:+1』が追加されているのを見つけた。なんと、氷結石を埋め込むと氷耐性が付くらしい。これは思いもしなかった効果だ。と、言うことは火耐性や水耐性なんかも上げられるに違いない。古銭だけではなく、いろんな効果を追加できるアイテムがあると言うのは予想外の福音だ。俺は儲かってきたら魔法屋でいろいろ仕入れて、この辺も研究してみようと思った。
◇
剣を三本抱えて歩くこと15分、冒険者ギルドについた。石造り三階建てで、小さな看板が出ている。中から聞こえてくる冒険者たちの太い笑い声、年季の入った木製のドア、開けるのにちょっと勇気がいる。
ギギギギーッときしむドアを開け、そっと中へ入る。
「こんにちはぁ……」
酒とたばこの臭いにムワッと包まれた。
見回すと、入って右側が冒険者の休憩スペース、20人くらいの厳つい冒険者たちが歓談をしている。子供がいていいようなところじゃない。まさにアウェイである。
ビビりながらエドガーを探していると、若い女性の魔術師が声をかけてくる。
「あら坊や、どうしたの?」
胸元の開いた色っぽい服装でニヤッとしながら俺を見る。
「エ、エドガーさんに剣を届けに来たんです」
「エドガー?」
ちょっといぶかしそうに眉をしかめると、
「おーい、エドガー! 可愛いお客さんだよ!」
と、振り返って言った。
伏し目がちにそう答えるドロシー。
「さすがドロシー!」
「お姉さんですから」
そう言ってドロシーは優しく微笑んだ。
これで俺の計画は完ぺきになった。使う人も俺も嬉しい魔法のチート武器がこの瞬間完成したのだ。こんなの俺一人だったら絶対気付かなかった。ドロシーのお手柄である。ドロシーは俺の幸運の女神となった。
◇
結局、研ぎ終わる頃には陽が傾いてきてしまった。ドロシーはしっかり清掃をやり遂げてくれて、孤児院の仕事へと戻っていった。
最後に俺の血液を仕込んだ氷結石と、ドロシーからもらった古銭のかけらを柄に仕込んでできあがり。ちょっと研ぎあとが歪だが、攻撃力は問題なさそうなのでこれを持っていく。
また、この時、ステータスに『氷耐性:+1』が追加されているのを見つけた。なんと、氷結石を埋め込むと氷耐性が付くらしい。これは思いもしなかった効果だ。と、言うことは火耐性や水耐性なんかも上げられるに違いない。古銭だけではなく、いろんな効果を追加できるアイテムがあると言うのは予想外の福音だ。俺は儲かってきたら魔法屋でいろいろ仕入れて、この辺も研究してみようと思った。
◇
剣を三本抱えて歩くこと15分、冒険者ギルドについた。石造り三階建てで、小さな看板が出ている。中から聞こえてくる冒険者たちの太い笑い声、年季の入った木製のドア、開けるのにちょっと勇気がいる。
ギギギギーッときしむドアを開け、そっと中へ入る。
「こんにちはぁ……」
酒とたばこの臭いにムワッと包まれた。
見回すと、入って右側が冒険者の休憩スペース、20人くらいの厳つい冒険者たちが歓談をしている。子供がいていいようなところじゃない。まさにアウェイである。
ビビりながらエドガーを探していると、若い女性の魔術師が声をかけてくる。
「あら坊や、どうしたの?」
胸元の開いた色っぽい服装でニヤッとしながら俺を見る。
「エ、エドガーさんに剣を届けに来たんです」
「エドガー?」
ちょっといぶかしそうに眉をしかめると、
「おーい、エドガー! 可愛いお客さんだよ!」
と、振り返って言った。