自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「ご無沙汰しております~、レヴィアです。あ、はい……はい……。その節はどうもお世話になりまして……。はい。いや、そんな、滅相もございません。それで……ですね……。ちょっと、ヴィーナ様に一つお願いがございまして……。え? いや、そうではないです! はい! はい!」
 レヴィアの敬語なんて初めて聞いた。額には冷や汗が浮かんでいる。
「その辺りはご学友の瀬崎豊が説明すると申しておりまして……。はい、はい……」
 いきなり俺に押し付けられている!?
 聞いてないぞそんなこと……、俺まで緊張してきた。

「え? 猫? もう、猫でも何でも……」
 猫? 全く話が見えない。なぜ猫の話なんてしてるのか?
「では、今すぐ転送します。はい……、はい……。では、よろしくお願いいたします」
 電話を切ると、レヴィアはふぅ……と大きく息をはいた。
「と、言うことで、お主、ヴィーナ様に説明して来い」
 丸投げである。

「え? 『蜘蛛退治してくれ』って言えばいいですか?」
「バカもん! そのまま言うバカがおるか! 『文明文化発展の手がかりを得たが、その邪魔をする蜘蛛がいるので少し手助けして欲しい』って言うんじゃ!」
 レヴィアは顔を真っ赤にして怒る。
「わ、分りました」
「言い方間違うと、この星無くなるからな! 頼んだぞ!」
 そんな大役をなぜ押し付けるのか。

「じゃあ、レヴィア様ついてきてくださいよ!」
 俺はムッとして噛みつく。
「あ、いや、ここはご学友の交渉力に期待じゃ。我が行くとやぶ蛇になりそうじゃから……」
 なぜだか相当にビビっている。美奈先輩ってそんなに怖かったかなぁ……。
「分かりました、行ってきますよ」
「そうか? 悪いな、任せたぞ!」
 ホッとしてうれしそうに笑うレヴィア。

 俺は、弱ってチェアの背もたれにぐったりともたれかかっているドロシーの頬を撫で、言った。
「ちょっと行ってくるね、待っててね」
「あなた……、気を付けて……」
 うるんだ目で俺を見るドロシー……。透き通る肌は心なしか青白い。
 俺は胸が痛み、愛おしさが止まらなくなり、優しくキスをした。

「ユータ、時間がないぞ。ドロシーは(われ)が治しておくから、安心せい」
「ありがとうございます」
 俺はペコリと頭を下げた。
「では、転送じゃ」