自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「え? 何かあるんですか?」
 しばらく行くと、巨大なサーバーラックが姿を現した。
 直径40メートルくらい、フロアを何層も貫く巨大な円柱は圧倒的な存在感を持って鎮座していた。
「何ですか……これ?」
「マインドカーネルじゃよ」
「マインドカーネル……?」
「人の魂をつかさどる星の心臓部じゃ」
「え!? これが魂?」
「そうじゃよ、その驚き含め、お主の喜怒哀楽もここで営まれておるのじゃ」
 俺は思わず息をのんだ。
 人の心、その中心部である魂は、この巨大な構造物の中にあるという。うちの星の生きとし生ける者、その全ての魂がここで息づいている……。俺もドロシーも院長もアルもすべてこの中に息づいている……。今、この瞬間の俺の心の動きも全てこの中で生成され、運用されているということらしい。なんだかすごい話である。
 キラキラと煌めく無数のインジケーター、その煌めき一つ一つがうちの星に暮らす人たちの魂の営みなのだろう。魂がこんな巨大な金属の円柱だったなんて俺は全く想像もできなかった。

「どうじゃ? 人間とは何かが少し分かったじゃろ?」
「なんだか……、不思議なものですね」
 俺はゆっくりとうなずいた。







5-12. 勝利のサーバーへ走れ

「さて、ヌチ・ギを叩くぞ!」
 レヴィアは手元の端末を見ながら何かを探っていた。
「F16064-095とF16068-102じゃ、探せ!」
「え? 何ですかそれ?」
「サーバーラックに番号がついとるじゃろ、それとブレードの番号じゃ。二枚を同時に引き抜くと奴は消滅する。探せ!」
「二枚同時ですか!?」
「そうじゃ、一枚抜いただけでは残りのサーバーの情報から修復されてしまうが、二枚同時は想定されていない。復旧できずヌチ・ギの身体は完全に消失する。どんなスキルを持っていようが引き抜いてしまえば(あらが)いようがない」
「なるほど……、エグいですね。ヌチ・ギ以外に影響はないんですか?」
「確率的に言えば両方のブレードに同時に乗っているのはヌチ・ギだけじゃろう。安心しておけ」
「で、F16064……でしたっけ?」
 俺は辺りを見回した。探せと言われてもこの広大なジグラートの中でどうやって探すのか皆目見当がつかない。確かによく見るとサーバーラックにはフレームに番号が刻まれている。俺はいくつかラックを見ながらその番号の法則を探った。