「キタ――――!!」
 俺は思わず立ち上がってガッツポーズ!
 隣に置いていたお茶のカップが転がり、お茶が地面を濡らした。

 俺はお茶どころじゃなくなって、何度もステータスを確認し、おじいさんの所へと駆けて行く。
 紅蓮虎吼(ぐれんこほう)剣はジャンク扱いで、箱の中に他の武器と一緒に無造作に突っ込まれていた。すっかり錆び切って赤茶色になり、あちこち刃こぼれが目立っている。★4なのにこの扱いはひどい。一体どんな経緯でこうなったのだろうか?
 攻撃力が『8/40』となっているのは、状態が悪いから40から8に落とされたということに違いない。きっと研げば40まで上がるに違いない。

 おじいさんはきれいに磨かれた武器を、丁寧に敷物の上に並べていく。鑑定していくと、中には★3が二つほどあった。すごい品ぞろえである。一体何者なのだろうか?
「坊主、武器に興味あるのか?」
 並べ終わると、おじいさんはそう言って相好を崩す。

 俺は★3と★4の武器を指さした。
「この剣と、この短剣、それからあの()びた大剣が欲しいんですが、いくらですか?」
「え!? これは一本金貨一枚だぞ! 子供の買えるもんじゃねーぞ!」
 驚くおじいさん。
「お金ならあります!」
 そう言ってカバンから金貨を二枚出した
「ほぅ、こりゃ驚いた……」
 おじいさんは金貨を受け取ると、本物かどうかじっくりと確かめていた。
「……。いいですか?」
「そりゃぁ金さえ払ってくれたらねぇ……。よし! じゃ、()びた奴はオマケにしといてやろう!」
 そう言って笑うと、剣を丁寧に紙で包み始めた。
 なんと、★4がオマケでついてしまった。俺は改めて鑑定スキルの重要さを身に染みて感じる。

「もしかして、こういう武器、他にもありますか?」
 在庫があるなら全部見せて欲しいのだ。
「あー、うちは古い武器のリサイクルをやっとってな。倉庫にはたくさんあるよ」
 おじいさんは開店するなり武器が売れてニコニコと上機嫌だ。
「それ、見せてもらうことはできますか?」
「おいおい、坊主。お前、武器買いあさってどうするつもりかね?」
 怪訝(けげん)そうなおじいさん。

「あー、実は冒険者相手に武器を売る商売をはじめようと思ってて、仕入れ先を探してたんです」
「え? 坊主が武器商人?」
「武器ってほら、魅力的じゃないですか」