自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 そう言いながら、指先をシュッシュッと動かした。
「一割くらい……、残しておいてもらえませんか? 結構この世界に貢献したと思うんですが……」
 ダメ元で無理筋のお願いをしてみる。
「ダメダメ! 何を言ってるんだ。チートは犯罪だ!」
 そう言ってヌチ・ギは指先で空中をタップした
 直後、俺の身体は青く光り、激痛が俺の身体を貫いた。
「ぐわぁぁぁ!」
「急激なレベルダウンは痛みを伴うものだ。まぁ自業自得だな」
 俺は身体からどんどんと力が抜けていくような虚脱感の中、刺すような痛みに(もだ)えた。

 ガチャ
 ドアが開き、毛布を羽織ったドロシーが顔を出す。
「あなた、どうしたの……?」
 マズい! ドロシーをヌチ・ギに見せてはならない。俺は痛みの中必死に叫んだ。
「ドロシー! ダメだ! 早く戻って!」
 しかし、ヌチ・ギは振りむいてしまう。
「ほぅ……、これはこれは……、美しい……」
 ヌチ・ギは(いや)らしい笑みを浮かべて言った。
 ドロシーは急いでドアを閉めようとするが、金縛りにあい動けなくなった。
「えっ!? 何? い、いやぁぁ!!」
 ヌチ・ギは指先をクリクリッと動かし、ドロシーを操作した。
 固まったまま浮き上がってヌチ・ギの前に連れてこられるドロシー。
 ヌチ・ギは毛布をはぎとる。朝の光の中でドロシーの白い裸体があらわになった。
「ほほう……、これは、これは……」
 下卑(げび)た笑みを浮かべながら、ヌチ・ギはドロシーの柔らかい肌をなでた。
「や、やめてぇ!」
 ドロシーの悲痛な叫びが響く。
「止めろ! 彼女は関係ないだろ!」
 俺は必死に吠える。
 しかし、ヌチ・ギは気にすることもなくドロシーの(あご)をつかむと、
「チートのペナルティとして、彼女は私のコレクションに加えてあげましょう……」
 そう言ってドロシーの瞳をじっと見つめた。
「い、いやぁぁ……」
 泣きながら震える声を漏らすドロシー。
 最悪だ、俺は躊躇(ちゅうちょ)なく最後のカードを切った。
「ヴィーナ様に報告するぞ!」
 だが……、
「はっはっは! 好きにすればいい。私はどっちみち未来の無い身。華々しく散ってやるまでだよ」
 ヌチ・ギは自暴自棄になっているようだ。きわめて厄介だ。
 俺は何とか必死に道を探す。
「俺がヴィーナ様に口添えしてやる。前向きに……」