そっとベッドを抜け出し、優しく毛布をかけて、俺は静かにコーヒーを入れた。
狭いログハウスにコーヒーの香ばしい香りが広がる。
俺はマグカップ片手に外へ出て、デッキの椅子に座る。朝のひんやりとした空気が気持ちよく、朝もやがたち込めた静謐な池をぼんやりと見ていた。
チチチチッと遠くで小鳥が鳴いている。
穏やかな時間はいきなり破られた――――。
「旦那様! 逃げてください! ヌチ・ギが来ました!」
いきなりアバドンから緊急通信が入る。
「えっ!?」
辺りを見回すと、朝もやの向こうに小さな人影が動くのが見えた。
俺は心臓が凍った。管理者権限を持つ男、ヌチ・ギ。この世界において彼の権能は無制限、まさに絶対強者が俺を見つけてやってきた。絶体絶命である。
俺はすかさず飛んで逃げようとしたが……体が動かない。金縛りのようにロックされてしまった。
「ぐぅぅぅ……」
いろいろと試行錯誤するが魔法も何も使えない、これが管理者権限かと改めて不条理な世界に絶望する。
ヌチ・ギは音もなく俺の目の前に降り立つと、甲高い声を出した。
「ふーん、君がユータ……。どれどれ……」
ボサボサの長髪に少し面長の陰気な顔、ダークスーツを身にまとってヒョロッとした小柄な男はしげしげと俺を眺めた。
「い、いきなり……、何の用ですか……」
金縛り状態の中で俺は必死に声を出した。
ヌチ・ギはそんな俺を無視して空中を凝視する。どうやら俺には見えない画面を見ているらしい。
時折何かにうなずきながら淡々と空中を見続けるヌチ・ギ。どうやら俺のステータスや履歴のログを見ているようだ。
「あー、これか! 君、チートはいかんなぁ……」
そう言いながら、さらに画面を見入った。
「本来なら即刻アカウント抹消だよ……」
そう言いながら、指先を空中でクリクリと動かし、タップする。
「え? それは死刑……ってことですか?」
「そうさ、チートは重罪、それは君も分かってただろ?」
ヌチ・ギはそう言いながら画面をにらみ続ける。
「あー、このバグを突いたのか……。良く見つけたな……」
「わ、私はヴィーナ様の縁者です。なにとぞ寛大な措置を……」
俺は金縛りの中で懇願する。
「ヴィーナ様にも困ったもんだ……。じゃあ、チートで得た分の経験値は全部はく奪、これで許しておいてやろう」
狭いログハウスにコーヒーの香ばしい香りが広がる。
俺はマグカップ片手に外へ出て、デッキの椅子に座る。朝のひんやりとした空気が気持ちよく、朝もやがたち込めた静謐な池をぼんやりと見ていた。
チチチチッと遠くで小鳥が鳴いている。
穏やかな時間はいきなり破られた――――。
「旦那様! 逃げてください! ヌチ・ギが来ました!」
いきなりアバドンから緊急通信が入る。
「えっ!?」
辺りを見回すと、朝もやの向こうに小さな人影が動くのが見えた。
俺は心臓が凍った。管理者権限を持つ男、ヌチ・ギ。この世界において彼の権能は無制限、まさに絶対強者が俺を見つけてやってきた。絶体絶命である。
俺はすかさず飛んで逃げようとしたが……体が動かない。金縛りのようにロックされてしまった。
「ぐぅぅぅ……」
いろいろと試行錯誤するが魔法も何も使えない、これが管理者権限かと改めて不条理な世界に絶望する。
ヌチ・ギは音もなく俺の目の前に降り立つと、甲高い声を出した。
「ふーん、君がユータ……。どれどれ……」
ボサボサの長髪に少し面長の陰気な顔、ダークスーツを身にまとってヒョロッとした小柄な男はしげしげと俺を眺めた。
「い、いきなり……、何の用ですか……」
金縛り状態の中で俺は必死に声を出した。
ヌチ・ギはそんな俺を無視して空中を凝視する。どうやら俺には見えない画面を見ているらしい。
時折何かにうなずきながら淡々と空中を見続けるヌチ・ギ。どうやら俺のステータスや履歴のログを見ているようだ。
「あー、これか! 君、チートはいかんなぁ……」
そう言いながら、さらに画面を見入った。
「本来なら即刻アカウント抹消だよ……」
そう言いながら、指先を空中でクリクリと動かし、タップする。
「え? それは死刑……ってことですか?」
「そうさ、チートは重罪、それは君も分かってただろ?」
ヌチ・ギはそう言いながら画面をにらみ続ける。
「あー、このバグを突いたのか……。良く見つけたな……」
「わ、私はヴィーナ様の縁者です。なにとぞ寛大な措置を……」
俺は金縛りの中で懇願する。
「ヴィーナ様にも困ったもんだ……。じゃあ、チートで得た分の経験値は全部はく奪、これで許しておいてやろう」



