自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「こんにちは~! うわっ! (あね)さん! 最高に美しいです~!」
 絶賛しながら駆け寄ってくるアバドン。
 照れるドロシー。
「ごめんね、急に呼び出して。結局、結婚することにしたんだ」
「正解です。ずっとヤキモキしてたんですよぉ! お似合いです」
 アバドンは嬉しそうに言った。
 院長はいきなり現れた魔人にビビっていたが、俺が説明すると仰天しながら首を振っていた。

「はい、じゃ、そこに並んで!」
 院長は壇上に上がり、俺たち二人を並ばせると開式を宣言した。
「ユータさん。あなたは、夫としての分を果たし、常に妻を愛し、敬い、慰め、助けて、変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が二人を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの妻に対して、堅く節操を守ることを約束しますか?」

「死が二人を分かつとき……?」
 俺はこの言葉に心臓がキュッとした。腕だけになったドロシーが脳裏にフラッシュバックする……。
 決意が揺らぐ……。
 俺は目をつぶり、大きく息をつく……。
 すると、ドロシーがワザと茶目っ気たっぷりに言う。
「なぁに? もう浮気しようとか考えてるの?」
「な、何言うんだよ! 俺はドロシーを裏切ることなんてしないよ!」
「なら、誓って……。私はもう子供じゃないわ。全て分かった上でここにいるの」
 ドロシーは俺をまっすぐに見つめた。
 そう……。そうだよ……な。
 俺は軽くうなずき、もう一度目をつぶり、心を落ち着けた。
 そして、ドロシーをしっかりと見つめ、ニッコリとほほ笑えんで力強く言った。
「誓います!」

 院長は優しくうなずくと、ドロシーに向かって言った。 
「ドロシーさん。あなたは、妻としての分を果たし、常に夫を愛し、敬い、慰め、助けて、変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が二人を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの夫に対して、堅く節操を守ることを約束しますか?」

 ドロシーは愛おしそうに俺をじっと見つめ、潤む目で言った。

「誓います……」

 そして、院長はさっき俺たちから集めた『魔法の指輪』をトレーに載せて差し出した。
 俺は自信をもってドロシーの白くて細い左手の薬指にはめた。
 ドロシーはニコッと笑うと、お返しに俺の薬指にはめてくれる。