決勝なのだからどんな屈強な戦士が出てくるのかと期待していたら、まるで会場の作業員のようなヒョロッとした一般人が入場してきたのである。防具もなければ武器もない。一体これで勝負になるのだろうか、と皆首をひねり、どういうことかと口々に疑問を発していた。
俺は何とも居心地の悪さを感じ、手をパンツのポケットに突っこんだままスタスタと歩いて舞台に上る。
勇者と目が合う……。
ドロシーを虫けらのように扱い、最後には仲間ごと爆破をさせたロクでもないクズ野郎。俺は腹の底からふつふつと怒りが湧き上がってくるのを感じた。
二度と俺たちに関わらないように、圧倒的な力の差を見せつけ、心の底に恐怖を叩きこんでやるのだ。全身にいまだかつてないパワーが宿ってくるのを感じていた。
そして、試合が始まった……。
超人的な強さを見せる勇者、それは確かに『人族最強』だった。だがそれでもレベル千を誇る俺の前には赤子同然なのだ。
怒りを込めた俺のこぶしがズン! ズン!と勇者の身体にめり込み、勇者は顔を歪ませる。俺のこぶしが入るたびに観客席からは悲鳴が漏れた。
圧倒的なワンサイドゲーム。俺は勇者を完膚なきまでにボコボコにし、勝利のコールを得た。
ここに俺は歴史に残る大番狂わせを打ち立てた……が、俺の心は晴れない。
出る杭は打たれる。俺は予想通りおたずね者となった。
3-19. 覚悟と決断
全てが終わった後、俺は闘技場を後にする。警備兵が追ってくるが、俺は空へと飛んで振り切った。
孤児院につくと孤児がワラワラと集まってくる。可愛い奴らだが今日は『また今度ね』と、断りながら奥の院長室へと急ぐ。
ノックをしてドアを開けると、院長が待ちかねたように座っていて、ソファに目をやるとなんとドロシーがいた。一か月ぶりのドロシーはすっかり憔悴しきって痩せこけており、悲しそうにうつむいていた。
「待ってたわ、まぁ座って」
「いや、ここにも追手が来ると思うので、長居はできませんよ」
「分かったわ、手短にするから座って」
院長ににこやかに諭され、俺は大きく息をつくとドロシーの横に座った。
「武闘会はどうだったの?」
院長は、俺の向かいに座りながら聞いた。
「問題なく勇者をぶちのめしてきました」
俺は何とも居心地の悪さを感じ、手をパンツのポケットに突っこんだままスタスタと歩いて舞台に上る。
勇者と目が合う……。
ドロシーを虫けらのように扱い、最後には仲間ごと爆破をさせたロクでもないクズ野郎。俺は腹の底からふつふつと怒りが湧き上がってくるのを感じた。
二度と俺たちに関わらないように、圧倒的な力の差を見せつけ、心の底に恐怖を叩きこんでやるのだ。全身にいまだかつてないパワーが宿ってくるのを感じていた。
そして、試合が始まった……。
超人的な強さを見せる勇者、それは確かに『人族最強』だった。だがそれでもレベル千を誇る俺の前には赤子同然なのだ。
怒りを込めた俺のこぶしがズン! ズン!と勇者の身体にめり込み、勇者は顔を歪ませる。俺のこぶしが入るたびに観客席からは悲鳴が漏れた。
圧倒的なワンサイドゲーム。俺は勇者を完膚なきまでにボコボコにし、勝利のコールを得た。
ここに俺は歴史に残る大番狂わせを打ち立てた……が、俺の心は晴れない。
出る杭は打たれる。俺は予想通りおたずね者となった。
3-19. 覚悟と決断
全てが終わった後、俺は闘技場を後にする。警備兵が追ってくるが、俺は空へと飛んで振り切った。
孤児院につくと孤児がワラワラと集まってくる。可愛い奴らだが今日は『また今度ね』と、断りながら奥の院長室へと急ぐ。
ノックをしてドアを開けると、院長が待ちかねたように座っていて、ソファに目をやるとなんとドロシーがいた。一か月ぶりのドロシーはすっかり憔悴しきって痩せこけており、悲しそうにうつむいていた。
「待ってたわ、まぁ座って」
「いや、ここにも追手が来ると思うので、長居はできませんよ」
「分かったわ、手短にするから座って」
院長ににこやかに諭され、俺は大きく息をつくとドロシーの横に座った。
「武闘会はどうだったの?」
院長は、俺の向かいに座りながら聞いた。
「問題なく勇者をぶちのめしてきました」



