自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「えっ!? ちょ、ちょっと困りますよ!」
 案内の男性は焦って制止しようとするが男たちは止まらない。ゾロゾロと俺の後をついてくる。
 俺は四人を索敵の魔法でとらえた。みんな殺気がかなり高い、やる気満々だ。この武闘会で上位に入るということは大変に名誉なことだし、仕官の口にもつながるという、ある意味就活でもあるわけだ。必死なのは仕方ない。
 一人の男の殺意が一気に上がる。
 鎧の男はいきなり奇襲攻撃で俺の背後を袈裟(けさ)切りにしてきたのだ。
「もらいっ!」
 しかし、剣が俺に届く直前、俺は彼の視界から消える。
「えっ?」
 俺は瞬歩で彼の背後に移動すると、
「遅すぎ、残念!」
 と、言いながら、手刀で後頭部を打った。
 気絶し、倒れる男。
 と、その向こうから二刀流の長髪の男が中国の雑技団のパフォーマンスのように刀をビュンビュンと振り回し、迫ってきた。
「当てりゃいいんだろ?」
「そうだよ」
 俺はニッコリと笑って男の攻撃をそのまま受けた。

 キ、キン!
 俺に触れた刀は刀身が粉々に砕け、飛び散る。
「はぁ!?」
 驚く男に俺は、
「武器屋は選ぼう」
 と、言いながら、パンチ一発お見舞いして吹き飛ばした。
 直後、後ろから
「マジックキャノン!」
 と、叫び声がして、白く輝く野球ボール大の魔法の球が吹っ飛んできた。
 俺はその球を素手でキャッチすると、そのまま投げ返した。飛行魔法の応用で魔法のエネルギーをそのまま包んで処理することができるのだ。まぁ、俺くらいしかそんなことできないのだが。
「なぜ爆発しない!?」
 驚く魔剣士は自らの魔法をまともにくらって吹き飛んだ。
 十秒もたたず三人の男たちが戦闘不能になった。
 四人目の男はその惨状を唖然(あぜん)として見つめ、ゆっくりと両手を上げる。
「あれ? かかってこないんですか?」
 俺がニッコリと話しかけると、
「こんなの……勝負になりませんよ……。棄権します」
 と、言って首を振った。
「一体どうしてくれるんだ!? 試合ができないじゃないか!!」
 案内の男性は頭を抱え、天をあおぐ。
「ごめんなさい。今日は決勝だけやればいいじゃないですか」
 俺がそう言うと、男性はキッとにらみ、
「た、大会委員長に報告しないと!」
 と言って、駆け出した。そして途中でクルッと振り返って叫ぶ。