自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「我にもしてくれんかの?」
 そう言って、可愛いくちびるを突き出してくるレヴィア。
「本日はもうキャパオーバーです」
「なんじゃ? つまらん奴じゃ」
「え? 何をしてくれるんです?」
 酔っぱらったリリアンが割り込んでくる。
「王女様、そろそろ戻られないと王宮が大騒ぎになりますよ」
「えぇ――――、帰りたくなーい!」
 そう言いながら、俺にもたれかかってくるリリアン。もう泥酔状態である。
 俺はリリアンをハグして、落ちないようにしながらレヴィアに頼む。
「ちょっと、レヴィア様、彼女を王宮に運んでいただけませんか?」
 ふんわりと香ってくる甘い乙女の香りに理性が飛びそうである。
「面倒くさいのう……」
 レヴィアはそう言って宙に指先でツーっと線を描いた。裂けた空間を広げるとそこは豪奢な寝室で、綺麗に整えられた立派なベッドがあった。
「ヨイショ!」
 レヴィアはそう言うと、リリアンを飛行魔法で持ち上げる。
「きゃぁ!」
 驚いて空中で手足をバタバタさせるリリアン。
 レヴィアは、そのままリリアンをポーンとベッドに放りだして言った。
「じいさまに『美化すんなってレヴィアが怒ってた』って伝えておくんじゃぞ」
「えー、待って!」
 すがるリリアンを無視して、レヴィアは空間をシュッと閉じた。
「これで邪魔者は居なくなったのう、ユータよ」
 嬉しそうに笑うレヴィア。
 影の薄かったアバドンは、
「私はそろそろ失礼します……」
 と、言って、そそくさと魔法陣を描いて中へと消えていった。
「あー、そろそろお開きにしましょうか?」
 俺はテーブルの上を少し整理しながら言う。
「あ、お主、あの娘と乳()り合うつもりじゃな?」
 レヴィアは俺をジト目で見る。
「ドロシーはもう寝ちゃってますから、そんなことしません!」
 俺は赤くなりながら言う。
「起こしてやろうか?」
 レヴィアはニヤッと笑って言う。
「だ、大丈夫です! 寝かせてあげてください!」
「冗談じゃよ。で、あの娘とは今後どうするんじゃ? 結婚するのか?」
「えっ?」
 俺は考え込んでしまった。まさに今悩んでいることだからだ。
「私は彼女が大切ですし、ずっと一緒にいたいと思っていますが……、私と一緒にいるとまた必ず命の危険に遭わせてしまいます。大切だからこそ身を引こうかと……」