あのゴブリンを倒した経験値が俺に配分されたということだろう。しかし、男性とはパーティも何も組んでいない。なのになぜ倒れているだけの俺に経験値が振り分けられるのか……? バグだ……、バグのにおいがするぞ! この世界を司るシステムの構築ミス。神様の勘違いだ。ゲーマーの俺だからわかる、バグのにおいだ。
もしかして……。
この瞬間、俺はとんでもないチートの可能性に気が付いてしまった。それはゲーマーでかつ、ステータスを見られる俺にしかわからない、奇想天外な究極のチートだった。
「俺、世界最強になっちゃうかも?」
ズキズキと痛む脇腹の傷が気にならないくらい、最高にハイな気分が俺を包んでいった。
1-6. 氷結石の福音
男性の名はエドガー。剣士をやっている35歳の冒険者だった。たまたま近くの街へ行っていて、うちのアンジューの街に戻るところだったそうだ。彼がポーションを分けてくれたおかげで、俺はすぐに傷をいやすことが出来た。
エドガーは中堅の剣士であり、主にダンジョンの魔物を討伐して暮らしているそうだ。ステータスを見るとレベルは53、この辺りが中堅らしい。
院長のレベルが89となっていたが、これは相当に高いレベルだということがわかる。院長は何者なのだろうか?
俺は彼と一緒に街まで同行することにした。チートが気になって薬草採りどころじゃなくなっていたのだ。
道中、エドガーに聞いた冒険者の暮らしはとても楽しかった。ダンジョンのボスでガーゴイルが出てきてパーティが全滅しかけ、最後やけくそで投げた剣がたまたま急所にあたって勝ったとか、スライムを馬鹿にして適当に狩ってたら崖の上から百匹くらいのスライムの群れがいきなり滝のように降ってきて、危うく全滅しかけたとか、狩りの現場の生々しい話が次々出てきて、俺は興奮しっぱなしだった。
彼の剣も見せてもらったが、レア度は★1だし、あちこち刃こぼれがしており、『そろそろ買い替えたい』と言っていた。
俺はさっき気が付いたチートの仮説を検証したかったので、代わりの剣を用意したいと申し出る。
エドガーは子供からそんなものはもらえないと固辞したが、俺が商人を目指していて、その試作の剣を試して欲しいという提案をすると、それならと快諾してくれた。
◇
もしかして……。
この瞬間、俺はとんでもないチートの可能性に気が付いてしまった。それはゲーマーでかつ、ステータスを見られる俺にしかわからない、奇想天外な究極のチートだった。
「俺、世界最強になっちゃうかも?」
ズキズキと痛む脇腹の傷が気にならないくらい、最高にハイな気分が俺を包んでいった。
1-6. 氷結石の福音
男性の名はエドガー。剣士をやっている35歳の冒険者だった。たまたま近くの街へ行っていて、うちのアンジューの街に戻るところだったそうだ。彼がポーションを分けてくれたおかげで、俺はすぐに傷をいやすことが出来た。
エドガーは中堅の剣士であり、主にダンジョンの魔物を討伐して暮らしているそうだ。ステータスを見るとレベルは53、この辺りが中堅らしい。
院長のレベルが89となっていたが、これは相当に高いレベルだということがわかる。院長は何者なのだろうか?
俺は彼と一緒に街まで同行することにした。チートが気になって薬草採りどころじゃなくなっていたのだ。
道中、エドガーに聞いた冒険者の暮らしはとても楽しかった。ダンジョンのボスでガーゴイルが出てきてパーティが全滅しかけ、最後やけくそで投げた剣がたまたま急所にあたって勝ったとか、スライムを馬鹿にして適当に狩ってたら崖の上から百匹くらいのスライムの群れがいきなり滝のように降ってきて、危うく全滅しかけたとか、狩りの現場の生々しい話が次々出てきて、俺は興奮しっぱなしだった。
彼の剣も見せてもらったが、レア度は★1だし、あちこち刃こぼれがしており、『そろそろ買い替えたい』と言っていた。
俺はさっき気が付いたチートの仮説を検証したかったので、代わりの剣を用意したいと申し出る。
エドガーは子供からそんなものはもらえないと固辞したが、俺が商人を目指していて、その試作の剣を試して欲しいという提案をすると、それならと快諾してくれた。
◇