自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 うつむいたまま動かないドロシー。

「ちょっと飲みすぎちゃったかな?」
「王女様……放っておいちゃダメじゃない……」
 ドロシーが小声でつぶやく。
「ドロシーを放ってもおけないよ」
「不満……無いんでしょ? 良かったじゃない。王国一の美貌(びぼう)羨望(せんぼう)の的だわ」
「あれは言葉のアヤだって」
「私なんて放っておいて下行きなさいよ!」
 俺はドロシーの手を取って言った。
「俺にとって……一番大切なのはドロシーなんだ。ドロシーおいて下なんて行けないよ」
「……。本当?」
 恐る恐る顔を上げるドロシー。
「本当さ、そうでなければ追いかけてなんて来ないだろ?」
 俺はドロシーに微笑みかける。
 ドロシーは涙をいっぱいにたたえた目で俺を見る。透き通るような肌が月明かりに照らされ、まるで妖精のように美しく、そして愛おしく見えた。
 俺はそっと頭をなでる。
 次の瞬間、いきなりドロシーがくちびるを重ねてきた。
 いきなりのことに驚く俺。
 でも、熱く情熱的な舌の動きに俺もつい合わせてしまう。
 甘い吐息を吐きながら俺を求めてくるドロシー。
 負けじと俺の手は彼女の背中をまさぐる。
 月の青い光の中で俺たちは舌を絡め合わせ、しばらくお互いをむさぼった……。

「うふふ……ユータ……好き」
 くちびるを離すと、そう言ってドロシーは俺に抱き着いてきた。
 俺はドロシーを抱きしめ、豊かな胸のふくらみから熱い体温を感じる。心臓がドクドクと早打ちし、このまま押し倒してしまい衝動にかられた。
 しかし……このまま行為に及ぶわけにもいかない。
 俺が激しく欲望と戦っていると……、スースーと寝息が聞こえてくる。どうやら寝てしまったようだ。よく考えたら、ドロシーは飲み過ぎなのだ。
 俺はホッとしつつ……、
「くぅっ!」
 同時にこのやりきれない思いをどうしたらいいのか、持てあました。

 ドロシーをそっとベッドに横たえ、毛布を掛ける。
 幸せそうな顔をしながら寝ているドロシーをしばらく見つめ、
「おやすみ……」
 そう言いながらそっと頬にキスをすると、俺は下へと降りて行った。







3-14. 心だけが真実

 席に戻ると、レヴィアがニヤッと笑って小声で耳打ちしてくる。
「お盛んじゃの」
 俺は真っ赤になりながら、
「のぞき見は趣味が悪いですよ」
 と、応えた。