自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 という悲鳴が裂け目の向こうから聞こえてきた。そして、
「グワッハッハッハ!!」
 という重低音の笑い声の直後、
『ゴォォォォ!』
 という何か恐ろしい実演の音が響いた。
「キャ――――!!」「キャ――――!!」
 また、響く悲鳴。
 そして、二人が逃げるように裂け目から出てきた。
 まるでテーマパークのアトラクションである。
 二人はお互い両手をつなぎながら、青い顔をして震えている。
「レヴィア様の凄さがわかったろ?」
 俺が聞くと、二人とも無言でうなずいていた。

「我の偉大さに恐れ入ったか? キャハッ!」
 上機嫌で戻ってくるレヴィアだが、また全裸である。
「レヴィア様、服、服!」
 俺が急いで指摘すると、
「面倒くさいのう……」
 と、言いながらサリーをまとった。

「お待たせしましたー」
 アバドンがまた両手いっぱいに酒と料理を持ってきた。
「お、ありがとう」
 俺が隣に台を広げて、調達した物を並べてると、レヴィアはウイスキーのビンを一本取った。そして、逆さに持つと、指をビンの底の所でパチッと鳴らす。すると、底の部分がきれいに切り取られ、まるでワイングラスのようになった。ビンの底からそのまま飲み始めるレヴィア。
 ゴクゴクと一気飲みすると、
「プハー! 最高じゃな!」
 と、素敵な笑顔で笑った。
 ドラゴンはやることなすこと全部規格外で思わず笑ってしまう。
「カーッ! のどが渇くわい! チェイサー! チェイサー!」
 そう言いながらエールの樽のフタを『パカン!』と割って、また一気飲みしようとする。
「レヴィア様! ちょっとお待ちを! それ、我々も飲むので、シェアでお願いします」
「もう……ケチ臭いのう」
 レヴィアはそう言うと、両手を樽に置いたまま何か考え込んでブツブツ言いだした。
 すると、隣に『ボン!』といって、全く同じ樽が現れた。
「コピーしたからお主らはそれを飲むのじゃ」
 そう言って現れた樽を指さした。
「コ、コピー!?」
 俺が驚いていると、
「なぜお主が驚くんじゃ? なぜコピーできるか、お主なら知っておろう?」
「いや、まぁ、原理は分かってますよ、分かってますけど、初めて見たので……」
「ならいいじゃろ」
 そう言ってコピー元の樽を丸呑みしようとするレヴィア。
「ちょっとお待ちください」
「何じゃ?」
「我々がそっち飲んでもいいですか?」