自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

「ふふっ、Noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)よ、高貴な者には責務があるの」
「それでもありがたいです」
 俺も頭を下げた。
「で、今日は何のお祝いなの?」
「お祝いというか、慰労会ですね」
「慰労?」
「南の島で泳いで帰ってきて『お疲れ会』、帰りにドラゴンに会ったり大変だったんです」
 ドロシーが説明する。
「ちょ、ちょっと待って! ドラゴンに会ったの!?」
 目を丸くするリリアン。
「あれ、ドラゴンご存じですか?」
「王家の守り神ですもの。おじい様、先代の王は友のように交流があったとも聞いています。私も会うことできますか?」
 リリアンは手を組んで必死に頼んでくる。
「いやいや、レヴィア様はそんな気軽に呼べるような存在じゃないので……」
「えぇ、リリアンのお願い聞けないの?」
 長いまつげに、透き通るようなアンバー色の瞳に見つめられて俺は困惑する。
『なんじゃ、呼んだか?』
 いきなり俺の頭に声が響いた。
「え? レヴィア様!?」
 俺は仰天した。名前を呼ぶだけで通話開始? ちょっとやり過ぎじゃないだろうか?
『もう会いたくなったか? 仕方ないのう』
「いや、ちょっと、呼んだわけではなく……」
 と、話している間に、店内の空間がいきなり裂けた。そして、
「キャハッ!」
 と、笑いながら金髪おかっぱで全裸の少女が現れる。唖然(あぜん)とするみんな。
 なぜこんなに大物が次々と客に来るのか……。俺はちょっと気が遠くなった。








3-12. デジタルコピーの限界

「レヴィア様! 服! 服!」
 俺が焦ってみんなの視線を(さえぎ)ると、
「あ、忘れとったよ、てへ」
 そう言ってレヴィアはサリーを巻いた。そして、みんなを見回し……、
「おう、なんじゃ、楽しそうなことやっとるな。(われ)も混ぜるのじゃ!」
 そう言って、ツカツカとテーブルに近づくと、エールの樽の上蓋(うわぶた)をパーン! と叩き割って取り外し、そのまま樽ごと飲み始めた。
 ドラゴンの常軌を逸した振る舞いにみんな唖然(あぜん)としている。
 俺は財布をアバドンに渡すと、
「ゴメン、酒と食べ物買えるだけ買ってきて!」
 と、拝むように頼んだ。

 レヴィアはそのまま一気飲みで樽を開けると、
「プハー! このエールは美味いのう」
 と、満足げな笑みを浮かべた。