自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 俺は必死に考えた。世界がリアルでないと困ることなんてあるのだろうか? そもそも俺は生まれてからずっと仮想現実空間に住んでいたわけで、リアルな世界など知らないのだ。熱帯魚が群れ泳ぐ海を泳ぎ、雄大なマンタの舞を堪能し、ドロシーの綺麗な銀髪が風でキラキラと煌めくのを見て、手にしっとりとなじむ柔らかな肌を感じる……。この世界に不服なんて全くないのだ。さらに、俺はメッチャ強くなったり空飛んだり、大変に楽しませてもらっている。むしろメリットだらけだろう。あるとすると、ヌチ・ギのような奴がのさばることだろうか。管理者側の無双はタチが悪い。
「ヌチ・ギ……みたいな奴を止められないことくらいでしょうか……」
「あー、奴ね。あれは確かに困った存在じゃ……」
 レヴィアも腕を組んで首をひねる。
「レヴィア様のお力で何とかなりませんか?」
「それがなぁ……。奴とは相互不可侵条約を結んでいるんじゃ。何もできんのじゃよ」
 そう言って肩をすくめる。
「女の子がどんどんと食い物にされているのは、この世界の運用上も問題だと思います」
「まぁ……そうなんじゃが……。あ奴も昔はまじめにこの世界を変えていったんじゃ。魔法も魔物もダンジョンもあ奴の開発した物じゃ。それなりに良くできとるじゃろ?」
「それは確かに……凄いですね」
「最初は良かったんじゃ。街にも活気が出てな。じゃが、そのうち頭打ちになってしまってな。幾らいろんな機能を追加しても活気も増えなきゃ進歩もない社会になってしまったんじゃ」
「それで自暴自棄になって女の子漁りに走ってるってことですか?」
「そうなんじゃ」
「でも、そんなの許されないですよね?」
(われ)もそうは思うんじゃが……」
「私からヴィーナ様にお伝えしてもいいですか?」
 レヴィアは目をつぶり、首を振る。
「お主……、ご学友だからと言ってあのお方を軽く見るでないぞ。こないだもある星がヴィーナ様によって消されたのじゃ」
「え!? 消された?」
「そうじゃ、一瞬で全部消された……それはもう跡形もなく……」
「え? なぜですか?」
「あのお方の理想に合致しない星はすぐに消され、また新たな別の星が作られるんじゃ。もし、お主の注進で、気分を害されたら……この星も終わりじゃ」
「そ、そんな……」