自宅で寝てても経験値ゲット!~転生商人が最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に

 見るとポツポツと浮かぶ雲の間を、巨大な何かが羽を広げて飛んでいるのが見えた。
 鑑定をしてみると……。


レヴィア レア度:---
神代真龍 レベル:???


「やばい! ドラゴンだ!」
 俺は真っ青になった。
 レア度もレベルも表示されないというのは、そういう概念を超越した存在、この世界の根幹にかかわる存在ということだ。ヌチ・ギと同じクラスだろう、俺では到底勝ち目がない。逃げるしかない。
 俺は急いでかじを切り、全力でカヌーを加速した……。
「きゃぁ!」
 ドロシーが俺にしがみつく。
 直後、いきなり暗くなった。
「え!?」
 上を向くと、なんと巨大なドラゴンが飛んでいた。巨大なウロコに覆われた前足の鋭いカギ爪がにぎにぎと獲物を狙うように不気味に動くのが目前に見える。
 さっきまで何キロも離れた所を飛んでいたドラゴンがもう追いついたのだ。
 逃げられない、これがドラゴンか……。俺は観念せざるを得なかった。
「いやぁぁぁ!」
 ドロシーは叫び、俺にしがみついてくる。
 やがてドラゴンは横にやってきて、3メートルはあろうかと言う巨大な(いか)つい顔を俺の真横に寄せ、ばかでかい真紅の燃えるような眼玉でこちらをにらんだ。
「ひぃぃぃ!」
 あまりの恐ろしさにドロシーは失神してしまった。

「おい小僧! 誰の許しを得て飛んでいるのじゃ?」
 頭に直接ドラゴンの言葉が飛んでくる。
「す、すみません。まさかドラゴン様の縄張りとは知らず、ご無礼をいたしました……」
 俺は必死に謝る。
 ドラゴンは口を開いて鋭い牙を光らせると、
「ついて来るのじゃ! 逃げようとしたら殺す!」
 そう言って西の方へと旋回した。
 俺も渋々ついていく……。この感覚は……そうだ、スピード違反して白バイにつかまった時の感覚に似ている。やっちまった……。

 ドラゴンは宮崎の霧島の火山に近づくと高度を下げていった。どこへ行くのかと思ったら噴火口の中へと入っていく。ちょっとビビっていると、噴火口の内側の崖に巨大な洞窟がポッカリと開いた。ドラゴンはそのまま滑るように洞窟へと入っていく。俺も渋々後を追う。